ママ「　ねぇ、ココたん。TVのCMの猫みたいなの、やって～」

ココ「　TVの猫って」

ママ「　ホラ、箱に突進する猫。これで。さ、さ。やって。」

ココ「　これは…何よ」

ココ「　超長いんだけど…」

ママ「　パパのゴルフのドライバーが入ってた箱」

ココ「　飛び込むには小さいのよ。小さすぎなのよ。」

ママ「　う～ん…リンゴ一個分かぁ…確かに少し小さいね」

ママ「　ねーねー。出し惜しみしないで、やってよぉ～」

ココ「　あんなこと、猫がみんなできるワケじゃないのよ」

ママ「　キラキラキラ」

ココ「　え…え～っ…」

ココ「　取りあえずやってみるのよ」

ママ「　やったー。わーい」

ココ「　ふんにゃっ　ふんにゃっ」

ココ「　ふぐっふぐっ…マ、ママ、これが限界よ」

ママ「　え～　そうにゃのまだ入り口よ」

ココ「　TVの猫はあれができるからTVに出てるのよ」

ママ「　そりゃ…そうだよね」

ココ「　ママが期待してるから…」

ココ「　じゃあもう一回だけ挑戦するのよ」

ママ「　頑張って～ココたん。通り抜けて見せて～」

ココ「　とりゃっ」

ココ「　ふんぬっ」

ココ「　ぐいっ　ぐいっ」

ココ「　ふーーーんっっ　ふーーーーんっっ」

ママ「　あっ…コ、ココたん…

　　　　すごい面白い絵柄になっちゃってるよ、ぷぷーっ」

ココ「　なりふりかまってられないのよ」

ココ「　だ、だけど…これが限界なのよっ」

ママ「　わかったわかった。ちょっと細すぎるよね」

ココ「　ご期待に添えなくて…あいスミマセン…」

ママ「　やっぱりTVの猫には芸があるんだ～」

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TVの猫。