『かっこよかったけど…変なひと…』
食べかけのホットドッグに目をやると
彼の口紅が付いていた。
私は別に潔癖ではないけれど
何となく食べる気も失せ
それを近くにあったゴミ箱に捨てた。
そろそろ開演の時間が近づいていることもあり私も中に入ることに。
地下の会場に続く階段を下り
ライブハウスのドアを開けると…
ものすごい数の人!人!人!!
私と同じロリータや全身真っ黒な服を着た子
コスプレやキャバ嬢みたいな格好をしたお姉さん…
おそらくキャパは400〜500人程の箱だったとは思うけど…
とにかくたくさんの人たちで溢れ返っていた。
満員のライブハウスの中では思う様に身動きが取れないため私はいちばん後ろの空いている壁に寄りかかりそこでステージを観ることに。
ライブが始まるとみんな前方に押し寄せ
私の立っていた後方は、かなりのスペースの空きができゆっくりと観ることができた。
スタートはギャ友が推すバンド。
彼らもなかなかの人気らしくかなりの盛り上がり。
私は後ろから
振り乱される長い髪やヒラヒラ咲く何百本もの手を『綺麗だなぁ』なんて思いながら眺めていた。
ステージが終わると
最前列で暴れまくって来たと思われる
化粧も髪も洋服もぐちゃぐちゃ…ヤマンバの様な容姿にヨタヨタの千鳥足と言う変わり果てた姿の友人がヘロヘロになって私の元へと帰還した。
『ココ!ヤバい!暑いっ!喉乾いた!死んじゃう!!』
と言うことで
一旦屋外に出て一休み。
興奮気味に大好きな推しバンドの本日のステージについてウザイ程に熱く語りまくるギャ友とそれに相槌を打つココ。
すると彼女が
ギャ友『あ。今日のトリさ、○○って言うバンドなんだけど知ってるよね?』
私『え?有名じゃん。名前は聞いたことあるけど、メンバーも知らないし、音も聴いたことない。』
ギャ友『ココは本命と名古屋ばっかだもんね〜!たまには新しいバンドも観てみようよ♡私さ、前から一度観てみたいって思ってて。音源は聴いたことあるんだけど観たことないから…
て言うか…Voの人めっちゃかっこいいから!!』
私『うん。知ってる。たぶんね…さっきその人と喋ったよ。』
ギャ友『え?まじ?!どこで?!』
私『あそこ。(ロータリーの花壇を指差す)でもね、何か…自信満々な感じがしてちょっと嫌だったかな。私のホットドッグ勝手に食べたし…僕のこと好きになるよ。とか言ってニヤニヤしてたし…←(微笑んだだけ)』
ギャ友『あはは!そーなの?(笑)でもさ、あのバンドってライブの動員も凄いし実力派なんだよね。今日のライブだってほとんどが○○の客だからね。』
私『へぇ…そーなんだぁ。』
ギャ友『たぶん、もうすぐワンマンだと思うからチケット取れなくなる前に…今日は観てこ!!一度観たら十分かも知れないし。』
私『そだね。』
ギャ友の誘いに乗り
軽い気持ちで彼のライブを観ることになった。
そして再びドアを開け
ライブハウスの中へ入ると
ちょうど彼のライブが始まるところだった
SEが流れ
ステージ上に登場するメンバーたち
バンギャたちの黄色い声
『…始めます。』
彼の低い声でライブが始まった。
ステージ上の彼の姿に
釘付けになる私…
『どえりゃぁ〜かっこいいがぁ!!』
(方言は特に意味は無いです。何ならエセ。)
ライブ終了後
それは…いとも簡単に…
そう…彼の予言通り…
私は彼を好き(ファン)になってしまいました。←(チョロい)
続く