2020年ノンフィクション本大賞
ノミネート作品3冊目

聖なるズー
著:濱野ちひろ


本を読んで感想をブログに書く時、基本的に私は本の内容より、自分が経験したことだったり、思いや考えを書いています。


しかし今回のテーマ「動物性愛者(ズー)」は初めて聞いた言葉で、知識もなければ体験もなければ身近で聞いたことがない滝汗
もし「ノンフィクション本大賞」にノミネートされなければ、まず手にすることすら無かったと思います。性に関することなので、苦手な人もいるだろうし。


初め「動物性愛者」のイメージは、「小児性愛者」に対する感情に近い嫌悪的な感情でした
しかし慈愛に近く、性がメインではなく、プラトニックな愛を貫くズーもいて、知りもせずに先入観だけで叩かれているズーたちの現状を知りました。

愛犬家の中には、ペットではなく家族の一員と感じる人もいて、世の中にはそれ以上の恋人・パートナーと感じる人もいる。

HSPの私は、ズーが言う犬が求めていることを感じる感覚をなんとなく理解してしまう。

人との関係は、必ずしも安らぎだけではないけれど、犬は優しく側にいてくれる。例えば幼少期に大好きな親に構って欲しい時に「忙しいから後でね」と言われれば、淋しくなる。ズーは幼少期から動物が好きな人が多く、そんな時に側にいてくれるのは、家で飼っている犬だった経験も関係しているのかもしれない。


ズーと同じく、LGBTも宗教や法律で禁止されてきた歴史がある。LGBTも偏見の目で見られて、差別されてきた。
自分と違う他者を100%理解することは、我が子であっても親であっても無理なことで、それが自分の価値観と全く違えば理解できるわけがない。
理解するのは無理でも、知ることが大切で、正しい知識もなく先入観で見てはいけないし、ましてや批判して傷付けるべきではない。

まだ日本で婚姻はできずとも、受け入れられつつあるLGBT。
長女の高校は、制服も無く自由度が高いので、性別によって制服を分けることもなく、女子も男子も化粧してこようがどんな服装をしようが教師に何か言われることもなく、LGBTの子も必然的に多い。世間的な「普通」や「常識」の先入観に縛り付けられず、いろんな人がいるのが当たり前で、特に気にすることもなく高校生活を送っている長女と、女子校でみんな同じ制服を着て過ごした私の価値観はやはり違ってくるだろうな。


動物虐待なら、確かに弾圧するべきだし、法律で罰するべきだと思う。しかし「動物性愛者」を一括りにしてしまうには、ちょっと無理があると感じた。