茨木のり子詩集
倚りかかららず
《自分の感受性ぐらい》(茨木のり子)
ぱさぱさに乾いてゆく心を
ひとのせいにはするな
みずから水やりを怠っておいて
気難しくなってきたのを
友人のせいにはするな
しなやかさを失ったのはどちらなのか
苛立つのを
近親のせいにするな
なにもかも下手だったのはわたくし
初心消えかかるのを
暮らしのせいにはするな
そもそもが ひよわな志にすぎなかった
駄目なことの一切を
時代のせいにはするな
わずかに光る尊厳の放棄
自分の感受性ぐらい
自分で守れ
ばかものよ
ここのところ心労が増えてきた。
茨木のり子さんの73歳の時に出版した詩集の中の48歳の頃に書かれた言の葉が心に響いた。
☆《感受性は自分で守る》に明るみぬ茨木のり子の詩集に触れて
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