彼は某A新聞社の社員

推定年齢60歳

メタボリック症候群であり
ハイ過ぎるウエストは、
ハイウエストを通り越して

ハイエストウエスト。


脂ぎった顔面の真ん中に
聳え立つ
無駄に赤らんだ鼻

黄ばみに黄ばんだ
口内の歯達は
見る者の視界の妨げ以外の何者でもない。

フケ塗れの頭皮は、
もはやダンボールベット族と
肩を並べる域。

メガネは長年の
フケ、脂、埃、汗
などにより

すりガラスばりに曇っている。
そして98%の確率で歪んでいる。

全身から醸し出される
加齢臭は
周りの者に吐き気を催し、
労働意欲を零コンマ一秒で
極限まで失せさせる。

ある意味

驚異的なパワーの持ち主である。


しかし差別している訳ではない。

ただ
この不景気真っ只中の
今日であっても

そこそこの給料を
会社から頂戴しているはずなのに

会社にお風呂もあるはずなのに


はずなのに


なぜそんなに不潔なんだ。

かつ、臭うのだ。


と私は約60行も使用してまで、問いたいのである。


そんな彼であっても、
誰からも嫌われている訳ではない。

比較的愛想も良い上
偉張る様子もあまり見られないので、
むしろ好かれている。


ただ、そんな彼に
不潔以外に
どうしても突っ込みたくなる事がある。


私の仕事は
新聞社の社員のサポート。
締め切りの降版時間に
追われる中、
社員の座るデスクに
早急に記事を配り回らなければならない。

勿論彼にも配るのだが、
その時彼はちゃんと返事を返してくれる。

なかには私が
「3社中刷りです~」 
と記事を置いても
フル無視な人もいる。

そう考えると、
彼は時間に追われながらもアルバイトの声に
返事をする余裕のある
まともな人間なのかもしれない。

しかし

しかーし


私が
「2社終了刷りです~」
と記事を彼のデスク端に置くと

彼は
視線をパソコンに
右手をキーボードに乗せ
左手を私が置いた記事の上に添える。

そして必ず


「置い~とい~て~」


とリズミカルに明るく言う。








もう置いてる!!


既に置いてる!!

オマケにあなた
もうその記事受け取ってる!!



そんな彼は
某A新聞社
誤字脱字
記事内容ミス修正が本業。  
日本語のプロフェッショナルなのだ。

昨日、生まれて初めてモーニングとやらを食べました。


ちょっと洒落た?まぁ、大した事ないけど大衆カフェで食べたせいか、量までもが可愛らしかった。



えらく小さいプチパン2つ

アンド

自己主張の少ないプチサラダ


ほんまに、プチなんです。

パンなんて赤ちゃんの拳ぐらい。


単語にしたら可愛いけど、全然可愛いくねぇ。


と思いながら、
人生初モーニングというはやる気持ちを抑え、
しばしモーニングセットを眺めてましてん。



足りるのか?


普通ゆで卵とか付いてない?

そんなゆで卵好き違うけど、ちょっと思てたのと違うやん?


それより何より、
世の中の人間は朝ご飯がこの程度の量で、
アドレナリン放出して
お昼までジャンジャンバリバリ労働出来うるのか?


なんて思いながらふと周りを見渡すと、

隣に全く同じモーニングセットを注文した地味めな20代後半男性。


しかもカメラ片手。


??




私が若干不満のモーニングセットを
一生懸命に写真に収めていた。


どうりで器の配置が心なしか、
いや確実に、
整頓されていた。




メモリの無駄やろ


と言いたくなるような、
非常に残念な光景。



しかし、
撮り終えた写真をチェックしながら微笑む男性。



あぁ



私はそこで初めて気が付いた。



何がって?



こんな地味なモーニングセットであっても人に幸せを与えられるということ。



そして何よりそんな地味な出来事を

生まれて初めて綴るブログの記事の第一号にしてしまった、

自分の地味さに、ね。