昨夜のことです
昨夜っていっても、
深い闇の


午前3時ですよ!


家の周辺から
低い声が響いてくるんですよ


「うぉぉおおぉ」



「ぐるるるぅぅぅ」


寝室で眠っていたのですが

思わず起きて、耳を澄ましたら

やっぱり聴こえてくるんですよ


私の頭の中の声
①ただの、酔っ払いの通行人だろう



②もしかしたら、外出したけれど自宅の鍵を忘れた人かもしれない


私と 長女は

ちょっと びびりながら

いえいえ かな~り びびながら

家の中で 
自分達の呼吸さえ ひっそりとして
静かに
この何者かが去るのを
この事象が収まるのを


じ~~~っと 待っていたのですよ


けれど
やっぱり また聴こえるんですよ


「うぉぉおぉぉおお」


やだ!
気持ち悪い!!!


どうしよ!
なんだろ!!!



そして とうとう
勇気を振りしぼって

玄関を がちゃり
開けて、外の様子を見てみたんです



そしたらね

我が家の目の前の
排水溝のところで

転倒している人が!!!

しかも
車椅子もろとも!!!

あららあらら


私は駆け寄って、
「大丈夫ですか?
なんだか声がするから、
何なんだろうとおもって、来てみたら!!」


おじさんは、結構、高齢のおじさんですよ

車椅子で、なにもこの暗がりを
車椅子で歩いて帰ることも、なかろうに!!


内心思いながら、

両腕を抱えて
車椅子に乗せたんですよ

両足
まったく動かないおじさんは
自分で両手で
よいしょって
足の置く場所へ運んびながら
「すみませんすみません」


「いえいえ。寒かったですね。
もうちょっと早くに気がつけばよかった。」

と申しましたら

「寒かったけども、なんもなんも」
と言いながら


放り投げられたリュックサックを
両腕にかけてあげました


「暗いから、気をつけて帰ってくださいね」

と言って 
おじさんの背中を見送りました


家に入って
ほっとして

布団に再度もぐりながら

さっきのは、もしかして、
  大きな妖精かもしれない!


なんて思いながら、嬉しくなる私なのでした


おじさん、怪我してなくて、よかったね