待ちかねていたこの日~

群馬県高崎市の結婚式場

へ、やってきました

といっても、
結婚式を行うのではなく、
メオ・カミュゼ ワイン会のため

メオ・カミュゼといえば、
ヴォーヌ・ロマネにおいてトップドメーヌと称されていますが、
その一端を担うのはかつて、
アンリ・ジャイエを小作人とし、
また彼の引退後も指導を受け、
現在に至るまで続く素晴らしいワインを生み出していることにあります。
ずらっと並んだラインアップは
ヴィンテージ違い含め全10アイテム


いつものように、
インポーターである株式会社フィネスの
木嶋氏をナヴィゲーターとして迎え、

万全の準備のもと、
会が始まります
白ワインは、
ブルゴーニュ オート・コート・ド・ニュイ
クロ・サン・フィリベール モノポール
2014&2011

サービス温度は12.5℃。
人間が「美味しい!」と感じる温度を追求してくれています。
2014VTは香りがグラスから立ち上り、
味わいは果実味豊かでフレッシュ。
対して2011VTは香りは穏やかながら、
味わいに厚みがあり、旨みが感じられます。
ヴィンテージの差でしょうか、
熟成の差でしょうか。
こうした体験から、ますますワインの魅力に引き込まれます。
さあ、
ワイン会のもうひとつの楽しみは、
もちろんお食事。
結婚式場のお食事というステレオタイプな観念が
吹っ飛びますよ
お料理のプレート数はデザートまで7種類。
フランスで修行されたシェフが腕をふるいます
Premier
軽く火を入れた烏賊とガスパッチョ
身の柔らかいアオリイカ&
トマトのフレッシュさそのままのガスパッチョ。
焼きとうもろこしのムース
スプーンですくって、
その柔らかさがわかります。
焼きとうもろこしは、夏の夜祭のイメージ。
シェフの遊び心もうかがえます

ふわふわのムースとコンソメジュレが舌の上で
じゅわーっと溶ける

胡麻をまとったサーモンマリネ

ゴマの風味豊かに旨み凝縮、
食欲を盛り上げます
さあ、
ワインはブルゴーニュ・ルージュへ
写真真ん中が2014VT、
右が2006VT。
2014VTの若さゆえか、フレッシュさに比べ、
2006VTには太くフルーツの実の厚さを感じます。
また樽の香りも顕著で、
これはDRCやメオ・カミュゼの特徴とも言われています。
そして写真左は
ブルゴーニュ・ルージュ 2002
細かなオリが見えます。
フチの色調も枯れ、うっすらとしています。
高貴な香りがのぼり、
舌に旨みがのり、
いつまでも飲んでいたいと思わせるワインです

Deuxieme
オマール海老とそのクレーム
キャビアとマンゴー
トロピカルなマンゴーが
ソースがまた指で舐めたいくらい
パンにつけてもいいですよね~
ワインは、
マルサネ・ルージュ 2014
コート・ド・ニュイの北に位置し、
また樹齢は20年代とやや若く、
「冷たい印象」と言われることもあるようですが、
供出温度18.5℃と、
これも人間が「美味しい」と感じる温度でサービスされているためか、
まろやかで、フルーツの甘みが感じられる味わいです。
Troisieme
鮎のコンフィとズッキーニの取り合わせ
鮎の肝をソースにし、
緑が冴え目にも鮮やか

背を向いていますが、
「ナイフで切って、一番おいしいところ」が左に来るためだそう。
鮎は、身が太いところが美味しく、
しっとりとした身、
カリッとした表面は味わいと相乗効果の感動を呼びます

写真右、フィクサン 2014
写真中央
フィクサン プルミエ・クリュ
クロ・デ・シャピトル 2013

ヴィラージュとプルミエ・クリュ、

ヴィンテージ違いと、
これも面白い比較です。
色調はフィクサン 2014 は紫がかり、
ブルーベリーのような印象でジューシー。
対して、
フィクサン プルミエ・クリュ クロ・デ・シャピトル 2013は、
日本のさくらんぼのような果実味を持ち、
比較的酸みが顕著です。
近年ブルゴーニュは気候が不安定で
生産者のストックもままならないほど減収が続いていた中、
2014年は比較的安定し、収量も平均的となった年でした。
つまり良年と言えるでしょう。
2013年はブルゴーニュの生産者にとって厳しい年となりました。
開花期の雨のせいで、結実不良を起こし、
ぶどうの実が房に揃わず、
結果、ワインのために使用されるぶどうは限られます。
不良と言われる年に、何をするか?
放っておいてもぶどうが健全に育つ条件下であれば、
生産者の苦労は軽減されるでしょう。
雹やあられなどの天災、
カビや害虫などの被害からぶどうを守り、
いかに創意工夫を凝らし、
愛情をかけるか。
世界に名だたるブルゴーニュにおいて
トップと称されるひと握りの生産者たちは、
不良も良年を凌駕するほどにワインをつくりあげます。
それはマジックでも魔法でもなく、
知識と経験の所以ということは間違いないでしょう。
という、
フィネス木嶋氏のお話をうかがいながら、
会は楽しく進行していきます

Quatrieme
じゃが芋を巻いた天使の海老のフリット
夏野菜とご一緒に
シェフの「野菜を召し上がっていただきたくて・・・」と
夏野菜をさらに美味しくいただくために、
ダシの風味をまとったジューシーなお野菜が並んでいます。
素材が生かされたひと皿ひと皿とワインに酔いしれます

ニュイ・サン・ジョルジュ
プルミエ・クリュ オ・ザルジラ 2013
一般的にニュイ・サン・ジョルジュはマッチョと言われることがあり、
ぎゅっと緻密な印象を持つワインですが、
メオ・カミュゼのワインはそこにエレガントさが備わっています。
ワインにおいて
キャラクターが出やすいかな、というものを順番で現すと、
【1】生産者、
【2】ヴィンテージ、
【3】テロワール
と、言われるそうです。
どの生産者も「テロワールが1番」という想いでワインを作っていると思いますが、
確かに、
テロワールが味わいとして顕著だったら、
どの生産者がつくって「同じ味」になってしまいますよね。
Cinquieme
築地から入荷のお魚
濃厚なジュ・ド・ポワソン

萩から届いたアマダイ。
口にはまだ針がついていたそうです!
上品なスープ・ド・ポワソンがソースに仕立てられています。
ウロコはパリパリ、身はしっとり。
舌に濃厚ながら重たさを感じさせないプレートです
ブリオッシュもサーブされ、
至れり尽くせり

最後のワインは、
シャンボール・ミュジニー
プルミエ・クリュ レ・クラ 2013
ここに至るまで数杯を飲み干しましたが、
このワインの繊細さに、
はっ
とさせられます。
先ほどのニュイ・サン・ジョルジュの厚みから比べると、
さらにエレガントで、奥ゆかしさを感じます。
Sixieme
シンプルに焼き上げた仔羊背肉
そのジュ、ブルーチーズ、黒にんにく3種のソースで
丁寧に骨を外し、
丸くすることで肉汁を逃さず焼き上げたひと皿。
ほんのり熱の通ったレア加減
フランスで研鑽をつんだというシェフですが、
フランスの良いところを取り入れ、
自身でさらに高みへと昇華させているお料理の数々はどれも絶品。
最近の結婚式場って変わったんですね

さらに専属パティシエによるデザートは、
濃厚なガナッシュショコラのスクエア
オレンジのソルベとパッションのアクセント
このショコラ
確かに濃厚ですが、
不思議なことに口当たり軽快で、

お腹いっぱいだったハズなのに、
スプーンが止まりません
滑らかで口どけよく、
香りや食感に存在感があり、
五感で楽しむプレート。
この日、
素晴らしすぎるフランスワインと
フランス料理のマリアージュを堪能となりました。
すべてが完璧で高揚しっぱなしの数時間。
この後、
ますますブルゴーニュワインに傾倒する自分の姿を、
うつらうつら夢に見たのもまた幸せでした