セラファンのインポーターさんと
蜜月さんのコラボワイン会
こんな機会、そうそうあるものではありませんよ

ジャパニーズフードと名乗っていますが、
その枠にとらわれることなく、
といって突出して外れることをせず、
その持たれる美学が
世界に名だたるワインとバランスよく供されるダイニングです。
この度は、
ブルゴーニュ、ジュヴレ・シャンベルタンの作り手、
ドメーヌ セラファン フィス エ ペールの
ヴィンテージ違いを並べて飲んでみよう!
という企画。
どこでも
だれにでもできるという企画ではない、特別感満載です

シャトー ド ラ ヴェル
NV クレマン・ド・ブルゴーニュ
ピノ・ノワール60%、シャルドネ30%、アリゴテ10%
爽やかとコクを持ち併せるスパークリング
こちらにあわせたお料理は
ザル豆腐(緑なごり雪)
淡い緑、
風味に甘みを持つ、
舌にになめらかなお豆腐に繊細な塩、
フレッシュなオリーヴオイルをかけて、いただきました。
新秋刀魚わた漬け焼き
鰯、トウモロコシ、クルミのつみれ揚げ
リンゴ酢で〆めた鯖
脂の乗ったサンマ
表面カリっと、
かじるとじゅわっと、
肝のソースをまとっています。
そして、
甘めに〆られた鯖しっかりと酸味を利かせたジュレが新鮮
それぞれ違った歯ごたえがアクセントになり
風味、甘味が加わり、美味し&楽しい

ドメーヌ セラファン ペール エ フィス
ブルゴーニュ ブラン
左から
2009VT
2005VT
2001VT
供出温度は12度。
そう、ワインも温度が大事なんです
色の違いも歴然
意外だったのは、2005VTが明るい色調だったこと。
底の部分の形状が鋭角なのは、
より酸を感じやすいように。
若いワインほどフルーツ味や
酸を保っていますが(セオリー的に)
熟成を経るごとに、
いわゆるカドが取れてバランスよく均一になりますね。
やはりワインは酸を感じたいところ。
そこをグラスで表現させるという、
ひとつのテクニックです。
2009VTは、豊作の年。
酸とアルコールがバランスよく感じられ、
酸味のたつジュレ、しめ鯖ともよく合います。
2005VTは、グレートヴィンテージと言われる年。
すでに10年を経過している白ワインとは、
こういう香りを放つものなのか。
コクと酸味のバランスよく、
ヴォリュームあり、
個人的に1番好きな味わいでした。
2001VT、個性、酒精、
強いワインと言われるヴィンテージ。
味わいは柔らかく成熟し、乳酸の感じまろやか。
芳香は素晴らしく、
サンマの肝の苦味とよくあいました。
次に供されたのは、
ドメーヌ セラファン ペール エ フィス
ブルゴーニュ ルージュ
左が2012VT
右が1999VT
新樽率の高いワインです。
1999VTには液体のフチに
レンガ色が見られます。
2012VT
色調淡く、心地よい酸。
うっすらと苦味を感じますが、
樽由来でしょうか。
1999VT
中心からフチにかけてグラデーションが見られます。
フルーティな酸を保ちつつ、
ドライフルーツ様の凝縮感も持ちし併せています。
ここでいただいたお食事は、

ソース タリオリーニ
シンプルだからこそ目立つ、
素材ひとつひとつのクオリティの高さ



ひとくちほお張れば、
そのほっぺが赤ちゃんのような満面の笑みに



底面の丸み、
ブルゴーニュワインのためにあるような形状でしょ

ここで2009VTの飲み比べです
2009 ジュヴレ シャンベルタン
2009 ジュヴレ シャンベルタン ヴィエーユ ヴィーニュ
2009 ジュヴレ シャンベルタン ヴィエーユ ヴィーニュ
ここで感じたいのは、
どちらも同じヴィンテージでありながら、
ぶどうの樹齢でどういった違いがあるのか、ということ。
ヴィエーユ・ヴィーニュとは古木と言われ、
ドメーヌによっては、
若い木とは50年以上樹齢が違うことが。
若い木と古木の差はそれぞれあれど、
重要な差のひとつが、根
にあります。

若い木の根は当然短く、
地面表面から比較的浅い部分に張っているため、
地中の雨水を得て成長します。
ワインへの影響としては、
酒精にヴォリュームあり、
酸もシャープになりがち。
一方、古木の持つその根は、
時間をかけゆっくりと地中に深く張られ、
一説には、硬い岩盤をも砕くほど力強く太いものです。
根から吸収されるミネラルをたっぷりと含んだ水の恩恵を受け、
出来上がるワインはおのずと重厚感があり、
ミネラルを感じ、またフルーツ味も厚みがあります。
最後のワインは
ドメーヌ セラファン ペール エ フィス
ジュヴレ シャンベルタン ヴィエーユ ヴィーニュ
2003 & 1994
2003VTの天候は非常に太陽に恵まれ、、
フランス国内では、
多くの人が熱中症に悩まされた年でした



そんなわけで、
できたワインにはフルーティさを超え、
コンフィチュールほどに感じるものもあります。
いわゆる不作と言われる年に生産されたワインは、
長期熟成には向かない、とネガティヴに、倦厭されがちです。
長期熟成とは何年くらい寝かせるのか・・・
ということは、ここでは語りませんが、
いずれにしても、
このワイン会が行われたのが2015年であることから、
収穫から21年を経過したワインです。
ではこのワインの味わいは・・・。
色調は儚いほど淡く、
しかし透明感を持ち、
その液体から輝きが放たれています。
香りに若々しいミネラル感、
味わいにはフルーツ味。
想像された熟成感は、枯れることなく、
むしろフレッシュさを感じます。
美しいワインです。
世界中に数多あるワインですが、
入手困難なワイン、
高価である価値とは、
土壌に敬意を払い、
自然とともに生き、
誠実に、心血を注ぎ生み出すワインであると、
あらためて思い知らされたワイン会でした。
供されたワインに使用したグラスは
和吉工房さんの、ワインに理想的なグラス。
ワインはプロジェクター、
グラスはスクリーンとおっしゃっていましたが、
それぞれに見合うもの同士でないと、
真価を得られず、残念になることも。
今回はすべてにおいて、
絶好のペアリングとなりました

最後のお料理となったのは
ポルチーニ、ジロール茸と肉団子の煮込み

表面のカラメルをコツンコツン

オトナになって、よかったなぁ~

最後の細部まで演出サイコー
こんなワイン会は特別だけど、
普段の日もソムリエールさんにお任せし、
楽しめることもできちゃいます

近所にあったら、
週3くらいで、通っちゃうな
