ストリップクラブ巡り　大海芸能百貨店

ストリッパーの職場は劇場ばかりではないフロアショー出演も大きな収入だ。つまりキャバレーやカフェーに出たり、或は料理店等で踊ったり、外人兵の集会に出演したりするのである。フロアショー専門に稼ぐストリッパーもなかなか多い。フロアショーの出演料は1ステージ(2曲)で一流スターなら最高4千円、一番安くても8百円を下ることはない。これが6分間の収入だから、彼女等にとっては軽視することはできない筈である。このストリッパーをキャバレーや料理店や或は劇場へ紹介斡旋するのがクラブ又は芸能社で、ストリッパーはそれぞれどこかのクラブ又は芸能社に所属しているわけだ。大海芸能百貨店別名仲良しクラブは、港区芝新橋2-1第一ビル内に事務所がある。経営主は大海綾子女史で女ざかりの36歳しかし夫君大海篤氏が奇才をふるって、その仕事を援助しているのが現状だ。ここから出て現在ストリップ界の人気者になっている者も意外に多く、グレース松原、ミス池上、紫かほる、ローラ田村、ミスマノン、早乙女都、ハニー鶴田等がいる。午後1時から営業は開始されるのだが、日中は閑散だ。忙しくなるのは午后5時以後。電話のベルが鳴り通しで、その度に、出を待っている彼女等が颯爽とでてゆく。キャバレーから料理店へ、そして又キャバレーへと、出先きへ電話で次々に稼ぐように連絡もするそしてこの忙しさは11時迄つづくのだ。部屋は一室事務机が三つ、あとは椅子が並んでいるだけだが、花のような踊子の詰所だけあって、むっと豊潤な香料の匂いがむせ返るばかり。ストリッパーは出演料の2割をクラブへ提供するらしい。大海篤氏の計画は雄大で、香港から印度方面への海外巡業も企て着々準備をすすめている。

雑誌　ストリップ劇場第一集　世界風俗社　S.28.11.20