《マネジメントに活かす禅語》 No.11

 

【大道無門】

 

禅メソッドマスターの幸覚(てるさん)です。

 

今日ご紹介する禅語はこちらです。

「だいどうむもん」と読みます。

 

 

 

部員の成長を人一倍願っているが
パワハラと内部通報された
どのようにしたら良いか・・・

 

 

相談者 46歳 会社員(部長) 男性

 

Q: 部長になって3年目になります。

この3年間、成果を出すために
そして、何よりも部員の成長を願い、
自分なりに必死に頑張ってきました。

 

しかし、先日、ショッキングな
出来事がありました。

 

 

自分がパワハラをしていると
内部通報されたのです。

 

 

これだけ部員のことを想い、
一生懸命やってきたのに、
ものすごくショックで、
私の方が精神的に参ってしまいそうです。

 

冷静になって考えると、
私は何でいつも怒ってばかりいるのだと
思うときがあります。

 

 

正直怒るのにはエネルギーが要り、
年もとって疲れてきている自分もいます。

 

この先、どうしたら良いか、
正直全くわかりません。

 

何かヒントとなる
アドバイスをもらえないでしょうか?

 

。。。

 

 

「部下の成長を願う想いを
捨ててみよう!」

 

部長になって3年間、
必死になって頑張ってこられ、

 

そして、
部員の成長を人一倍願い、
いろいろ指導をされてきたのですね。



その結果、成果もしっかりと
出されてきたのだと思います。

 

 

それなのに、

それなのに、、、
 

内部通報されてしまったんですね。


 

それは、ショックですね。



「どうして俺は部員のことを
こんなにも想っているのに、
それをわかってくれないのだろう?」

 

とか、

 

「これから成果を出し続けるためには、
もっと厳しい局面があるのに、
これくらいでへこたれてもらっては困る!」

 

とか、

 

「みんながもっと能力あれば
俺がこんなに
必死で頑張らなくても良いのに!」

 

とか、


 

いろいろな思いや感情が
出ては消え、消えては出てきた、
のではないでしょうか。

 



 

そんな状況でも自分を振り返り、



"いつも怒ってばかりいる自分"

に気づかれたのですね。



 

冷静になって
客観的に自分を振返り
それに気づかれたことは、
素晴らしいと思います。


 

これは、
チャンス ではないでしょうか?

 

それに気づける機会を与えてもらったことに
まずは 感謝 してみましょう。



どうでしょう?


抵抗がありますか?




そりゃそうですよね!

部員のことを想い、
これまでやってきたわけですから。


 

それでは、
心の中を
一緒に覗いていきましょう!

 

。。。

 

どうしていつも


「怒っている」

 

のでしょう?

 

 

それは、

「部員が思い通りに動いてくれないから」

 

あるいは


「期待通りの成果を上げてくれないから」

 

 

そんな思いはないでしょうか?

 

 

そうだとしたら、その奥では、


「あなたの思い通りにやることが
しっかり成果を出すことにつながり、
ひいては部下の成長につながる」


と思っていませんでしょうか?


 

もしそうであれば、
それは、本当でしょうか?

 

それは、
あなたが

 

「これまでの経験や知識から
導き出した正解」

 

であって、
部員が同じことをしても、

成果につながるとは

限りません。

 

「あなたにとっての当たり前」は、
「部員にとって当たり前」とは
限らない場合もあります。

 

それは、
「あなたが経験した世界での
当たり前」なのです。


 

「当たり前と思っていたこと」が
当たり前ではない
こと、
 

山ほどあります!


 

。。。


 

私は、週末、
みつばちの世話をしています。


 

みつばちの世界を知り
それまで当たり前だと
思っていたことが

実はそうではなかったことが
たくさんあります。


 

例えば「杉」


以前は、杉林を見て、
緑豊かで自然がいっぱい!なんて
思っていました。

 

しかし、違っていました。


 

杉林は、


「林業のため、人工的に造林したもの」

 

で、多様性がなく、循環が生まれないため、
自然とは真逆の世界なのです。


 

例えば「砂糖」


私は、大の甘党で、
子供の頃角砂糖を丸ごと
食べたりしていました。


みつばちに与えても
害はないと思っていました。

 

しかし、違っていました。

 

 

WHOが、
砂糖は栄養が無く、
病気の原因にもなる、と
発表したように、


みつばちに与えると、
免疫力低下につながり、

みつばちが弱っていくのです。


これらは
本当に氷山の一角であり、
ここでは書ききれないくらい

 

「当たり前ではなかったこと」

 

がたくさんありました。

 

そして、
コロナ禍。

 

コロナ禍により、
今までの常識が
いろいろ覆っています。


 

今まで良かれと思っていたことが
悪くなったり。

 

その逆もしかり。

 

そんなものなのです。

 

 

なので、
あなたが今良かれと思っていることが
部員にとっては悪かったりするのです。


 

「こうすれば成果があがる」

「こうすれば部員が成長する」


そんなことは

あなたの中の世界のこと

で有ることが多いのです。

 

 

さて、そんなあなたへ
ご紹介したい禅語は、
「諸行無常」「離見の見」「遠観山里色」「放下著」など
いろいろありますが、


今回は、この禅語をご紹介します。 

「大道無門」

 (だいどうむもん)



 

大まかな意味は、
太い大きな道(悟り)に入るのに門はない。
どこから入っても良い。

 

転じて、
「ふところが大きく何でも受け入れる
包容力のあること」
の例えでもあります。


 

そこにたどりつくには、
知らぬうちに背負っている
怒り、妬み、不安、恐れ(貪瞋痴)などの
荷物や鎧を手放し、

あるがままの状態に戻ることが必要です。

 

まずは、
「部員を成長させたい、
 そのためには
 自分の言う通り成果を出すべき」

という思いを
手放してみてはどうでしょうか?

 
詰まっていたものが流れるように、
自然と良い流れが起こるはずです。

 

といっても、
一人では簡単に手放せる
ものではないと思いますので、
一緒に取組んでみませんか?


 

興味あればメッセージ等下さい。


 

それでは、また。


 

禅メソッドマスター
幸知 輝(僧名:幸覚)

 

 

もしご興味があれば、
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