万葉集
“志賀の山 いたくな刈りそ 荒雄らが よすがの山と 見つつ偲ばむ”
万葉集より
若い頃は、まったく興味がなかったのですが
40代を過ぎてから、万葉集などの古い日本の歌に
興味を持つようになりました。
私の住む福岡市香椎周辺にも万葉集の
歌の舞台となった場所が沢山あります。
上の歌は、福岡市の北に浮かぶ志賀島出身の
漁師荒雄(あらお)のことを歌ったもの。
対馬で国を守る防人のために米を命がけで運んだ荒雄は
暴風雨のため玄海灘に沈んだそうです。
荒雄と運命を共にした仲間の漁師たちを
偲んで詠んだのがこの歌だとのこと。
「どうか志賀島の山の木を切らないでおくれ。
亡くなった荒雄達が、あの世から懐かしい山だと
見て偲んでいるだろうから。」
その意味を考え志賀島の山を見ると
昔の人たちの思いが伝わってくるようで
しみじみとした味わいがあります。
次の休みは、自転車で志賀島を訪ねてみようと思っています。