誰が言ったわけではないけれど、桜を見るたびに毎年思う事があります。中学の2年生の時からです。当時、私は先輩にいじめられる事がありました。
その頃は夏休みで桜の時期ではなかったけれど、アルバムを見ているときに桜の写真を発見しました。
父が撮った高遠の桜。
その桜を見て、なぜか泣いていました。
「桜は寒い冬を越さないと花を咲かせない。
人もまた綺麗な花を咲かせるために、今があるんだろうな」
その時の私にとって、今は冬。
この冬を越せば、自然に春は訪れる。今はその春に綺麗な花を咲かせるための大切な時期なんだ。そう思う事で、自分を言い聞かせていたんだと思います。
今になってみれば、前向きに「春を楽しむために今のこの
時期も楽しんじゃおう」なんて言えるだろうし、思えるんだろうけれど、本当に苦しい時期にはそんな事思えませんでした。
けれども、そうして耐えた先には、やっぱり良い事が沢山あったし、何よりも良い事だと感じられるようになってい
たと思います。(その時期がなかったら当たり前すぎて見えなかったかもしれません)
今朝、天気が良くて桜が咲いているのをじっと見ていると、そんな事をまた思い出しました。
過ぎてみると、今こうして明るく居られるのは、あのとき耐えられた事への自信と、周囲の同じような目にあった人
の気持ちが少しは分かるような心の持ち方を養えたから。
心の中の桜が今、春と一緒に咲いている。
桜を見て、一緒に冬を越したことを感慨深く感じています。
人には大なり小なり冬があり、その冬を越えて、みんなそれぞれの心の桜を咲かせているんだろうなあ。
もしかしたら、今また冬を迎えている人がいるのかもしれない。
けれど、今の冬が寒ければ寒いほど、桜は綺麗な色を魅せてくれます。一人で頑張れなんてとても言えない。でも、あなたの綺麗な桜を一緒に待っています。
あなたの桜、今の季節は?
咲いている桜はどんな色?