すいぶんと長いことこのブログにはご無沙汰していました。
今年は人生60年の節目、そういわゆる還暦というものを迎えたのですが。
その記念すべき歳になった年初から良いこと悪いことが津波のように押し寄せています。
いろいろとある中で良いことは初孫が誕生したこと。
長男の息子が6月に生まれて、その可愛さと言ったら筆舌に尽くしがたいものです。
もうこの子と遊ぶことがこれからの自分の人生最大のテーマだなと思っていました。
ところが、その直後に生まれて来る者があれば逝ってしまう人もあるとでもいうかのごとく。
実の母よりも長いこと隣り合わせに50年以上も暮らして来た叔母が亡くなってしまったのです。
もうかなりの高齢とはいえ最近では100歳になる方も少なくないので、もう少し長生きして欲しかった。
でも叔母は数年前から「私は十分に生きたからもう神様に天国へ早くお迎えくださいと毎日お祈りしているの」と、口癖のように会う度に話していました。
だから亡くなった時はほんとに悲しくて動揺しましたが、しばらくしてその言葉を思い出して(叔母さんは念願の天国への階段を昇ったのだからそれを祝福してあげるべきなのかもしれない)と考えると悲しみは薄れていきました。
自分もいつかそういう時を迎える日が訪れるのだろうけれど、それまでに叔母のように「存分に生きたからもう思い残すことは何もない」と周りの人々に伝えておけるようにしたいものだとつくづく感じました。
そんなことがあってから2ヶ月くらい経った頃に、今度は介護施設にいる実の母がどうも様子がおかしいとの知らせを受けました。
それは突然に意識を失って痙攣を起こすような状態に一日のあいだに何度も陥るというのです。
そして私が面会に行って話しているあいだに実際にその失神するような症状を目の当たりにしました。
病院でなんども検査を受けても原因がわからず、その意識消失の回数は増えていくばかり。
大きな病院で24時間心電図を付けてのチェックの結果、ようやくその理由が判明しました。
高齢による心臓機能の衰えで「高度房室ブロック」という心臓を動かす為の体内電気信号みたいなのが機能不全になっているとのことでした。
これを改善するには心臓ペースメーカーを体内に挿入する必要がある。
しかし、高齢者で認知症もある母にこのペースメーカーを埋め込むのにはリスクが低くないと言われました。
血管や肺、心筋に傷を付けてしまったり、うまく挿入できても母が傷口や管を触って感染症になる恐れもあるという。
それでもこの処置をしなければいつ心臓が完全に止まってもおかしくないというのです。
もはや選択の余地はないと姉と相談してペースメーカー手術をお願いしました。
そしてその結果、母は術前の失神から完全に解放されて今はまた施設に戻って元通りの暮らしを送っています。
母同然の叔母を失ったすぐ後に本当の母を失うかもしれないと考えていたので、手術が成功して実に嬉しかった。
だがその喜びと引き換えのごとくまたしても次の試練が待ち受けていました。
台風19号による大雨で自宅近くの河川が氾濫して床上浸水1メートルという被害を受けてしまったのです。
不幸中の幸いで家族と共に洪水警報を見て早めに姉の家に避難したので身の危険はありませんでした。
洪水被害の情報をネットや友人たちからのメール、ラインの写真で知った時は身体から力が抜けてしまった。
そして姉の所から自宅へ戻り水が引いて泥だらけでモノが散乱した家の中を見た時は絶望感に襲われました。
いったいこれを片付けるのにどれだけの手間と時間が掛かるのだろうか?と気が遠くなる思いでした。
ところが近所の方、そこに助けに駆けつけた方々、娘の幼稚園時代からの親しい父兄仲間の皆さん。
そして息子たちや姪夫婦、従兄弟など多くに助けられてあっという間に片付いてしまいました。
浸水被害から2日目には1階の水浸しになったベッド、家具、洋服、その他諸々がすべて運び出されました。
床や壁を洗って拭いて消毒して後は乾かすだけという状態にたった2日で終わらせて頂きました。
助けてくださった皆様には本当に感謝の念でいっぱいで言葉もありませんでした。
おかげさまで3日目からは仕事に出かけていつものようにテニスすることが出来ました。
浸水した1階は乾きさえすれば大丈夫なのかとその時までは考えていました。
ネットで調べてみるとそれはとんでもない誤りであると気づき、またしても衝撃的な事実に落ち込みました。
浸水してしまうと壁の中と床下の断熱材をすべて交換しないといけないと知ったのです。
つまり1階部分のすべての壁と床をいちど剥がして水浸しの断熱材を撤去して、新しいものと取り替える。
それから壁と床を新しく貼り替えて最期にクロスと床材で仕上げる。
その他に各部屋のドアとトイレの便器も交換が必要なようで、いったいどのくらいの費用がかかるのか?
風水害に対応する保険には加入しておらず、修繕費は貰えるかどうかわからない公的支援と自己負担。
こうしたケースでの費用を体験者のブログなどから推察してみると・・・
気の利いた中型のドイツ製輸入車が買えてしまうくらいの額らしいと知り本当にショックです。
もう還暦になったのを機に仕事を少し減らして孫と存分に遊ぼうと目論んでいました。
このリフォームローンを返し終わる頃には、もう孫にランドセルを買ってやる時期になっているかも。
まぁ幸いにもまだまだ十分に働けるし労働意欲も旺盛なので、頑張るしかありません。
今年の騒動や事件、憂慮すべき事態は実はまだあるのですがそれは別の機会に書きます。