制作の大矢根(3児の子育て中)から「そろそろやりましょう」とおしりを叩いてもらってからすぐに浮かんだのは【製作レポート①】に書き記した「奥村さんのお茄子」の
再演でした。

当初はそのため和室のあるスペースを探していたのですが、なかなか条件に合う場所がみつからず……。

それなら、大きなガラス戸があって、人の出入りがみえるギャラリーがいいなぁ……と探し当てたのが会場になったギャラリ・カタカタです。一目惚れのほぼ即決でした。

「お茄子」となにか2本立て……はじめは違う新作のプロットを練っていたのですが、会場の都合で上演許可がおりなそう……どうしよう……。
そうだ、この大きなガラス戸を使ってアレをやろう。

そして「石川のことはよく知らない」を再演しようと決めました。この本をやるならと決めたことは2点。

〇15年前に書いた本で拙すぎるからガッツリ書き直す。

〇今回この作品には絶対にわたしは出演しない。





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難航したのはキャスティングでした。 
当初は井神さん(以下、さえちゃん)に新妻のキョウコを演じてもらおうと、その対象となるユミエ役の女優さんを探していたのですが、お声かけさせていただいた女優さんがみなさんタイミング合わず。
 
前もって初演版の台本を渡してあったさえちゃんに「誰かユミエに合う女優さんいないかなー」とSOS。
すると「わたしがユミエをやるのはどうですか?」と目からウロコの提案が。

この、さえちゃんの一言がトンネルの出口でした。
光が!光がみえる!どうして、さえちゃんにユミエをやってもらうのを考えつかなかったんや!

そこからキョウコ役の森口みかちゃんとハジメ役のあさみくんは、パズルのピースがはまるようにピタピタっと決まりました。

余談として、上演前に観劇ファンのかたにキャスティングをちらっとお話したら「ドリームチームですね」と言っていただきました。我ながら絶妙なバランスの3人だと思います。



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さえちゃんとみかちゃんのふたりはMUなどの現場で共演歴がありますが、あさみくんはふたりともはじめまして。

演出のわたしも女性なので、稽古開始頃のあさみくんは男性ひとり緊張の面持ちでちんまりとしていました。
が、稽古を重ねる毎にどんどん3人の距離が縮まり……最終的にあさみくんは女性ふたりから弄られる側になってました。

聞けばあさみくんは実際にお姉さんがふたりいる末っ子長男だとのこと。
その位置におさまるのは必然のことだったのでしょう。


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「あこがれ」チームはとにかく演技演出を(わたしにしては)ちゃんとやった作品でした。
説明セリフが少ない反面、そこに込める感情や伝えたい想いが多すぎる。
役者のみんなにはその分こまかい演技を強いることになりましたが、みんなちゃんと理解してこたえてくれました。感謝。
 
本番入ってからもダメ出しをし続けたのも、今となっては良い思い出……だといいなぁ。