　梅雨になると、雨の歌の特集がある。カントリーロックのＣＣＲが、１９７０年代初めに歌った歌、「Ｈａｖe　Ｙｏｕ　Ｅｖｅｅｒ　Ｓｅｅｎｎ　Ｔｈｅ　Ｒａｉｎ」も、時々流れる。この歌は、ベトナム戦争で、米軍のＢ５２によるナパーム弾の大量投下を間接的に歌ったものだが、日本では、そんなこと関係なしに流行った。爆弾の雨といえば、太平洋戦争末期の日本の都市部へのＢ２９による無差別大量殺りく、原爆の「黒い雨」も、歴史上の事実であるが、戦勝国の残虐行為は、罪に問われなかった。

　米国は、「戦勝国無罪」により、朝鮮戦争、ベトナム戦争と冷戦構造のなか、対共産圏との闘いという大義名分のもと、「民間人無差別大量殺戮」を続けた。これらの戦争で、罪のないアジアの民間人が死に、米国の「死の商人」が儲けたことは、疑いのない事実である。米国政府が行った非戦闘員を巻き込んだ非人道的無差別大量殺戮は、決して許されるものではなく、「人道に対する罪」は明白である。

　米国、ロシア、中国の代理戦争として勃発した内戦は、冷戦構造崩壊後、宗教、民族の対立による内戦へと変化していった。米国などの後押しで存在していた絶対的指導者が存在しなくなると、押さえつけられていた勢力が百花繚乱、群雄割拠の戦国時代へと向かい、戦闘地域での国境線は無意味なものとなった。戦闘地域の共通問題点は「貧困」であるが、避難民の増加とともに、更に「困窮者」が増大し、問題は、ますます悪化しているのである。

　そのような状況で、複雑な利害が絡み、大国の「利権争い」の中で、日本は、どの様な立場を取るべきであろうか。やはり、「戦争を放棄した国」「交戦権を認めない国」ではないか。アジア・アフリカで比較的印象が良かった日本が、もし、海外で武力の行使をすれば、住民の反発と武装勢力からの更なる攻撃にさらされ、いままで積み上げてきたものが、瞬間に崩れ落ちて行くのである。

　これは、良識ある日本人であれば、共通の認識である。しかし、「死の商人」達から支援されている政治家どもは、「立憲主義」に基づき、憲法の改正という方法を用いることなく、国民の合意を得ることもなく、身勝手な行動で、今まで日本が築いた信頼を喪失させようとしている。政府が、「国民の命を守る。」というのであれば、海外派兵をしないことである。もし、どうしても、日本製の武器を売るために、海外で戦争がしたいのであれば、武器輸出企業の役員の御子息と、政府、外務省、防衛省の御子息から海外戦闘員を徴兵すればよい。そして、戦闘員の迷彩服に武器輸出企業のロゴを付ければよい。

海外派兵への道（４） Ｈａｖｅ Ｙｏｕ Ｅｖｅｒ Ｓｅｅｎ Ｔｈｅ Ｒａｉｎ ？

海外派兵への道（４）　Ｈａｖｅ　Ｙｏｕ　Ｅｖｅｒ　Ｓｅｅｎ　Ｔｈｅ　Ｒａｉｎ　？