介護の現場でやけどへの対応は重要な課題の一つです。やけどを発見したら、まず冷却が最優先の処置となります。基本的には流水での冷却が最も効果的ですが、利用者の状態や部位によって困難な場合が多くあります。特に寝たきりの方や、移動に介助が必要な方の場合、流水での処置は現実的ではありません。そのような場合は、清潔なタオルを水で濡らして患部に当てる方法が有効です。タオルが温かくなったら、別の部分に当て直すことで継続的な冷却が可能です。また、保冷剤や氷嚢を使用する場合は、必ずタオルで包んで間接的に冷やすようにしてください。直接皮膚に当てることは避けましょう。

冷却時間の目安は15分から30分程度です。ただし、四肢末端部のやけどの場合は1時間程度の冷却も可能です。特に指のやけどでは、むくみが出る前に必ず装飾品を外すことを忘れないでください。また、認知症の方など、ご自身で痛みを十分に訴えられない利用者の場合は、特に注意深く観察する必要があります。冷却中も利用者の様子や皮膚の状態を定期的に確認し、必要に応じて看護職への報告や医療機関の受診を検討してください。

近年、特に注意が必要なのが低温やけどです。電気毛布や湯たんぽ、使い捨てカイロなどが長時間皮膚に接触することで発生します。体温調節が難しい高齢者は特にリスクが高く、就寝中に気付かないうちに発症することも多いため、定期的な体位変換や環境整備の際に皮膚の状態を確認することが重要です。低温やけどを発見した場合は、10分から20分程度の冷却を行い、状態が深刻な場合は看護職と相談の上、適切な医療機関での処置を検討してください。日頃からやけど予防のためのリスクアセスメントと、適切な温度管理を心がけることが大切です。

年齢を重ねると、体は衰えていきます。体力や内臓の働きなどと共に感覚にも衰えがくるため、温度変化を感じにくくなるわけです。感覚が衰えている高齢者の場合、気づかぬうちに低温やけどを発症してしまう恐れがあるので、高齢者を見守るのであればしっかり低温やけどの対策をとりたいところです。低温やけどを避ける上で大事なのが、暖房器具やカイロなどの体を温めるものを長時間使用しないこと、皮膚を直接温めないようにすることです。

44度程度であっても2時間ほど温め続ければ低温やけどを発症する可能性があるので、暖房器具やカイロなどを長時間使用することには特に注意を払わないといけません。特に危険なのがこたつや電気カーペットなどで、高齢者がこれらを使用したままうとうとと眠ってしまった場合、低温やけどが発症する可能性は決して低くはありません。また、湯たんぽも低温やけどの代表的な原因で、眠る時に湯たんぽを使用すると気づかぬうちに低温やけどを引き起こす可能性があります。

カイロや湯たんぽなどの直接皮膚に当てられるものを高齢者が使用する場合、皮膚に直接当てていないか確認することは大事です。皮膚に直接触れる形だと温度が上がりやすく、低温やけどのリスクが一気に高まってしまいます。家庭で高齢者の介護を行っている場合、電気代が気になるかもしれませんが、最も安全なのはエアコンで部屋自体を暖める方法です。乾燥などの懸念点はありますが、エアコンが低温やけどを引き起こす可能性は限りなく低いので、環境を整えてうまく活用してみてください。そのほかの対策や予防に関しては、このような参考サイトもぜひご覧ください。