〜前回の続きから〜

付き合うことになった私たちは、
まだ “付き合う” ということが曖昧で
何をすればカップルなのか、、
それさえわからないまま付き合っていた。

でも、毎日会えることが楽しくて
休み時間や帰り道に会った時は
話しかけてくれて
それが嬉しくて仕方なかった。

私が小学生の時(約12年前)は、
交換日記とか手紙交換が流行っていたから
どんな流れかは覚えていないけど
その恋人と手紙交換をするようになった。

手紙には
「今日(恋人)くん、
 休み時間にベースボールしてたね、
 かっこよかったー!」
なんて恥ずかしいことをすらすらと
書いていた記憶もある…。

恋人は律儀で優しい人で
手紙を渡すと返事を書いてくれた。
帰り道の班は違ったけど、
途中まで同じ道だったから
分かれ道に入る前にいつも
「ーーちゃん!」って近寄ってきて
静かに「はい、これ」って
みんなにバレないように手紙を渡してくれた。

すーーーんごい嬉しかったなぁ。

今でもその手紙は引き出しの中に入れてある。
未練じゃなく、素敵な思い出として。


その手紙の内容は今見ても甘々で
「ーーちゃんが大好きだよ」って
最後に書いてあるのが恒例だった。

でも、手紙では書いてくれるのに
直接「好き」と聞いたことはなかった。
だから、それを手紙に書いたことがある。
「(恋人)くんに直接好きって言われたい」


今思えばとてもとてもはずかしい…笑

その手紙を渡した次の日。
学校で会っても何故かあまり話してくれず
休み時間も話すことができなかった。
手紙のことを思い出して
"書かなきゃよかった"とも思った。

その日の帰り道。
いつものように分かれ道の前の信号機が
青に変わるのを待っていた。
すると、横断歩道を挟んだ先に
恋人がいる班が何故か止まっていた。

「なんでだろ…」って思って
恋人の方を見た瞬間、
「すきだぁーーーーーーー!!!!!」
って叫ばれた。叫んでくれた。


とてつもなく驚いたけど
とてつもなく嬉しかった。

あれだけは一生忘れられないなぁ…

そのあと横断歩道を渡ると
「はい、これ」って
顔を赤らめて恥ずかしそうに
手紙も渡してくれた。
「ありがとっ…」しかいえなかった。

恋人は少しシャイなところもあって
人前ではそんなことはできない人だった。
だから、何よりも嬉しかった。

その日の手紙の最後には
「今日、好きだーって叫んだじゃん、
 あれ、どーだった?」
って書いてあった。

それすらも可愛い。

今思い出すとニヤけてしまうほど
青春を謳歌している…



〜まだまだ続くよ〜