アンニョンショボーン 音譜

 

本日の短編レビューは、珍しくジソブが出演していない作品からです。

ただ、最後に書いた追記内容にちょっぴり熱が入ってしまい、なんだか短編的ではない記事になってしまいましたあせる
でも、最後まで読んでくださいね(*≧з≦)

 


『家族なのにどうして(2014)』

 

韓国KBSで週末ドラマとして放送され、家族の大切さを忘れた身勝手な姉弟に父親が“親不孝訴訟” を起こすという異色の設定がウケて、最高視聴率44.4%という驚異的な数字を記録したドラマ。その年の演技大賞で大賞を含む8冠にも輝いた話題作です。

 

韓国の週末ドラマは話数も多い上に、ダラダラとした展開を繰り返す駄作も多いので当たりハズレがありますが、このドラマは”当たり”の方ですね。

 

今をときめく若手俳優のソ・ガンジュン君やパク・ヒョンシク君も出演しており、若い韓ドラファンにも非常に見やすいドラマだと思います。

 

 

さて、そんな家族モノ、所謂ホームドラマから本日紹介するのはこちらのシーン
↓(KBS 2TV より)

★☆★☆★(You Tube 動画へ)

 

 

「僕を、見てください」

 

 

「私はどうしたらいいですか、常務」

 

「ただ、今まで通りにすることです」

 

「今まで通りって、どうやって……」

 

「普段通りに、何も無いかのように。いえ、普段よりも明るく笑い、普段よりも楽しく。そうやって過ごすんです」

 

「父の状態はどんどん悪くなるのに、私がどうしてそんな風にできますか?」

 

「僕は、母が亡くなる前の半年間、罪人のように生きたんです。いつ亡くなるかも分からない人の前で笑うなんて申し訳なくて、一人だけ楽しそうにするなんて申し訳なくて。だから、母の傍にいる間、僕も一緒に病人のように暗く過ごしました」

「それが、母の為だと勘違いしていたんです」

 

 

「”勘違い”ですか?」

 

「あの時、母が亡くなる前にこんな事を言われました。僕に対して、”もっと笑いなさい”と」

 

「……」

 

「”息子の笑顔をもっと見たかったのに、それが残念だった”と」

「僕は母の為に笑うことが出来なかったのに、母にとっては、かえってそうすることが親不孝だったんです」

 

「……常務」

 

 

「僕は経験者です。残された時間は、たくさん笑わせてあげましょう。それが、お父さんの為です。何が言いたいか、分かりますよね」

 

「まったく、僕のチャ室長は。最近は泣いてばかりですね」

 

 

「すみません」

 


こんなにいいシーンなのに、ムン常務の首に巻かれたムチ打ち用のコルセットが少し滑稽ですね(笑)。でも、とっても”らしい”シーンで好きな場面です。

 

普段は強気な”長女”と”出来る秘書室長”としての顔を崩さない、キム・ヒョンジュ演じるガンシムが、ムン常務の前でだけ弱い姿をさらして泣きじゃくる場面がここ以外にも出てきます。

 

そんな彼女を大人の男性らしく包み込み、それに素直に甘えるガンシム。年末の演技大賞でベストカップル賞も受けた二人の関係性を描いた部分が、このドラマで一番好きな場面でした。

特に、ムン常務がいざという時に見せる男気と器の大きさは、他の男キャラ(長男ガンジェ、末っ子ダルボン)が軟弱なせいで、余計にカッコよく感じました。


このドラマにおける癒しと笑いを担当したムン・テジュ役を演じているキム・サンギョン氏。


彼は、この作品に出演する前までは、演じてきた役柄から近寄りがたい印象を持たれることが多く、特に『大王世宗 (2008)』でのイメージは強く、硬い演技派というイメージの俳優でした。

 

でも、この作品で演じたムン常務によって見事にその固定イメージを払拭。特にこのドラマは韓国の視聴者が習慣的に観るKBSの週末ドラマだったため、多くの人々に、キム・サンギョン=”親しみやすい俳優”として認識されたのだと思います。


最近では、ヨ・ジング君主演のtvN『王になった男』での王の側近イ・ギュ役が印象深いです。
というか、この『家族なのにどうして』のムン常務がイレギュラーで、本来のサンギョン氏の真骨頂はこちらなのだと思います。

 

 

 

そして、語りたい女優キム・ヒョンジュ。


韓国には、演技が上手く魅力的な女優は沢山いますが、私の中のキム・ヒョンジュは<信じてみる女優>です。

彼女の出演作は、所謂”ハズレ”がありません。どの作品もちゃんと面白いし、時間を無駄にすることなく、また倍速視聴になることもない作品ばかりです。

 

映画への出演は少なく、ドラマが専業ともいえる女優ですが、その分だけ韓国での大衆からの認知度は高い女優です。
確かな演技力と、デビュー当時から全く劣化しない容姿のおかげで、長いキャリアを常に第一線で活躍してきました。

 

最新作『WATCHER:왓쳐』も、OCNらしい重苦しさ満載のドラマですが、キム・ヒョンジュの作品選球眼はやはり確かで、このドラマも普通に見ごたえのあるドラマです。
(※視聴率も右肩上がりに上昇中です)

 

 

 


そんなキム・ヒョンジュですが、ジソブのファンなら知る人ぞ知る女優ですよね。
彼女に対し、複雑な感情を抱くファンも多いのではないでしょうか?

でも私は個人的に、彼女は女優としても、ジソブの旧友としても好意的に認識をしている女性です。

 

当時の二人は、「友人以上恋人未満」といった関係で、女友達が少ないジソブにとっても、同い年で気の合う貴重な存在だったと思います。
あの熱愛説さえなければ、二人は疎遠になることもなく今でも付き合いが続いていて、ドラマでの再共演などが叶ったかもしれないのに。そう思うと、凄く残念な気もしています。

 

ジソブがモデルとしてデビューしたのが1995年、俳優としてのデビューは翌年で、キム・ヒョンジュも1996年に女優デビュー。つまり、俳優としての二人は”同い年の同期”ということです。

 

キム・ヒョンジュは2000年頃から既に数本のドラマでヒロインを演じ、俳優として脚光を浴びたのはジソブより彼女の方が先でした。
しかし、まだ駆け出しの無名だった<俳優ソ・ジソブ>を、キム・ヒョンジュは誰よりも高く評価し認めていたそうです。

 

「ソ・ジソブの良さをまだ知らない人が多い。何故、彼の魅力に気付かないのか」


そして、私がジソブを知った作品『ただいま恋愛中』と同年、ジソブはキム・ヒョンジュと共演した『ガラスの靴』でヒロインを苛烈に愛する男を熱演し、その知名度は一気に上がります。
現在の<恋愛演技の職人(メロキング)>としての歩みはこの作品からスタートしたと、私は思っています。

 

ちなみに、キム・ヒョンジュは亡きヨンハ君とも懇意で、慈善活動はジソブと同じグッドネーバーズを通じて継続的に行っています。
率直な物言いを好むさっぱりとした性格で知られ、これまで大きなスキャンダルや公開恋愛歴もない非常にクリーンな女優ですね。

 

価値観なども含め、ジソブとはとても気が合うと思うけど、本当にあれから一度も会っていないのでしょうか?
彼女、いまだに独身だし。もし再会したなら、また気軽に友達付き合いを始めてもいいような気がします。(←余計なお世話が過ぎるババアの戯言です)

 

 

因みに……ビックリマーク
これはあくまでも、お気に入りの場面の選り抜きレビューです。
もしも「通りすがり」でこの記事を読んで下さり、ドラマ本編にも興味を持たれたならば、各種配信サービスでご覧になってください照れ

 

 

<予告>


◆日本Ver.

 

◆韓国版-Teaser

 

 

……日本輸入によって、若手勢の「ロマンス推し」が凄いですねチュー

 

でも、ドラマ自体は「The・KBS週末ドラマ」です。

楽しんでみてちょ音譜

 

また次回パー

アンニョンいのししキラキラ