Knoppix をHDDインストールした環境で、少しシステムを運用してみると syslog などのログファイルが巨大になってもローテイトされないのです。logrotate が機能しないことが分かりました。cronが動作していないのかなと思いましたが動作していました。その証拠に毎時にntpdateが実行されて時刻合わせが動作していたのです。daily と weekly だけが実行されてないようでした。

原因は /etc/crontab ファイルを見て分かりました。

25 6 * * * root test -x /usr/sbin/anacron || run-parts --report /etc/cron.daily
47 6 * * 7 root test -x /usr/sbin/anacron || run-parts --report /etc/cron.weekly

そうです。anacron パッケージがインストールされていると実行されなかったのです。そうと分かれば解決は簡単です。

# apt-get remove anacron

こうして daily、weekly のスクリプトが動作するようになり、無事 logrotate も動作するようになりました。

Debian GNU/Linux 環境を Knoppix のHDDインストールで作成した後、好みの環境にするためには apt が使える方が便利です。そこで、/etc/apt/sources.list を修正することにしました。

私がインストールした Knoppix は Ver.3.7だったので現在の安定版であるSargeがまだtestingだった頃に作成されたので、testing と unstable のパッケージが含まれています。 インストールされたままの設定でアップデートを実行すると不安定になるかも(?)しれないので、安定版(sarge)だけを利用するように変更しました。

/etc/apt/sources.list
deb http://security.debian.org stable/updates main contrib non-free
deb http://security.debian.org testing/updates main contrib non-free

deb http://ftp.jp.debian.org/debian stable main contrib non-free
deb-src http://ftp.jp.debian.org/debian stable main contrib non-free

deb http://ftp.jp.debian.org/debian-jp stable-jp main contrib non-free
deb-src http://ftp.jp.debian.org/debian-jp stable-jp main contrib non-free

apt-get コマンドでインストール済みパッケージをアップデートします。しかし、Knoppixが利用していたパッケージがsarge が安定版になる前のものなので dist-upgrade が必要です。

# apt-get update
# apt-get dist-upgrade

ところが、ここで致命的なエラーが発生して終了してしまいます。apt-get dist-upgrade を繰り返し実行してみます。同じところで同じ依存性のエラーが出ると、それ以上インストールは進みません。そこでアップデートされるパッケージ名を指定してインストールしました。私はアップデートされるパッケージ名の下の方から順にインストールしました。

# apt-get install package_name ...

あるパッケージが依存性の関係でアップデートできないことが分かります。そのパッケージは必要に応じて追加インストールできるので削除してしまいます。

# apt-get remove package_neme

依存性に問題のあるパッケージが削除されたならば、残りのパッケージをアップデートするために再度 apt-get dist-upgrade コマンドを実行します。

# apt-get dist-upgrade

問題なくアップデートが完了するまで上記を繰り返します。こんなことなら、最初から Debian GNU/Linuxをインストールした方が良かったのかなと思いましたが、メジャーリリースの時には同じような苦労があるのだろうと思うことにしました。

私の環境です。

DELL Optiplex GX280
・CPU Pentium4 3.2GHz インテル 915Gチップセット
・メモリ 1GB
・HDD 160GB(SATA)
・グラフィックスコントローラ インテル Graphics Media Accelerator 900
・NIC NetXtreme BCM5751 Gigabit Ethernet
・サウンド ADI 1981 AC97
・OS Windows XP Professional Service Pack 1a

サーバを構築する際の一番最初の作業はOSをインストールすることです。サーバ用のOSにも多くの種類があり迷ってしまいます。多目的のサーバ機能を1台で運用できて、安定して稼働できるOSということで Windows系のOSは候補から外しました。数あるUNIX系OSの中でも最もユーザ数が多いと思われる Linux を選択しました。

Linuxにも多くのディストリビューションがあるのですが、サーバとして運用するにはアップグレードが簡単ということで Debian GNU/Linux を選択しました。数年前には RedHat Linux も利用していましたが有料になってしまいましたし、アップグレードの時にはデータのバックアップなど大変面倒なものでした。もう、このような苦労はしたくなかったのです。

実際のインストールは、Debian GNU/Linux ではなく Knoppix(Ver.3.7日本語版) を利用しました。もちろん Debian と同じ運用を選択しました。この方法は、とっても簡単でした。以下のコマンドをRoot Shell中で実行して、いくつかの質問に答えるだけです。行頭のシャープ(#)は管理者権限のあるユーザ用のプロンプト(コマンド受付可)を示しますので、入力してはいけません。青色部だけ入力してから、Enterキーを押してください。

# knoppix-installer

私の場合は、ネットワークアダプタやグラフィックスコントローラなどのサーバに必要なものの全てが正しく利用できるように自動的に設定されました。この程度のことはTurbo LinuxやVine Linuxなどでも簡単に実現できるでしょう。