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次男の将来

リビングの床に、無造作に二つ折りにされた紙が落ちていた。
拾って広げると、次男の音楽の試験の答案である。
 
 あまりいい出来ではない。
小さなため息をつく。
 
 と、ある回答に目がいく。
『合唱コンクール』の課題曲を問う問題に、彼は「時の族人」と書いていた。
ん? 「時の旅人」ではないのか。
受けを狙っての暴挙(?)ならば、なかなかの大物であるが、たぶんそれはない。

 とすれば、単純な書き間違えか、「旅」と「族」の違いを理解していないのかが問題である。
確か、「書けたのに、間違いになっているのがあるんだよね。」と言っていた。

・・・・ため息、再び。
 
 「族」といえば、こんな話がある。

彼がまだ小学生の時、家の周りを走る暴走族の轟音を聞いて言った。
 
 「おれは、絶対、暴走族にはならないからね。」
  
  「うん。それがいいね。」

 「だって、おれ、自転車にも乗れないんだから、なれる訳ないよ。」
  
  「・・・・・・・・?(あの、そういうことではないでしょう・・・)」


彼と過ごす日々は、退屈を知らない。
 ため息もつくが、それ以上に笑う。彼も一緒に笑う。

 幸せになるんだよ。自分自身で。 日々、願う母である。