全米を震撼させた「ブレット・カバノー事件」の真の意味

全米を震撼させた「ブレット・カバノー事件」というものは、カバノー氏の最高裁判事就任が議会の承認を得られたことで、終結した…ように、見えて、そうではないだろう。
「ブレット・カバノー事件」の詳細を知りたい人は、自分で調べてもらいたい。
くだらないので、ここでは詳しくは書かない。
基本的に、「どうしてこれで、全米が震撼してしまうのか」という、「その部分」をこそ、問題視しなければならないと、思うのだ。
最近のアメリカの政治は、「まるでコント」である。

どこまでも「分断」

トランプ時代のコンセプトは、「分断(division)」だな、その「深化」と「深刻化」なんだな、というふうに、つくづく思う。
アメリカの人たちは、あらゆる「アイデンティティ」でもって、細かく分断されて、互いに反目するように、徹底的に仕向けられた。
カバノー事件は「男と女の分断」であり、さらに「リベラルとコンサバの分断の深化」でもあり、もちろん、民主党支持者と共和党支持者の分断の深刻化、でもある。
さっそく、背後にソロスの影がという噂が、浮上しているようだが、よくわからない。
「アイデンティティ・ポリティクス」による国内の分断については、ソロス関係が常に背後にいるとしても、不思議ではない。
もちろん、問題は、ソロスだけではない、というか、「ソロス自身」が問題なのでもない。

興味がありすぎる

アメリカの人たちは、こういうことには、ものすごく興味があるのである。
いっぺんに飛びついて、長い間、そればっかり話している。
どう考えても、そんなことに熱中している場合じゃない、のであるが。
それよりも、外国での戦争をやめさせることのほうが、重要なはずなのである。
が、どうしても、アメリカ人というのは、「セックス絡みのスキャンダル」が大好きで、さらに「リベラルと保守の国内の反目」のほうの「攻防戦」のほうが、大事なのである。
こうして、国外での戦争は、続く、いつまでたっても、終わらない、というわけだ。

日本の場合

カバノー事件を見たときに、まっさきに思い出すのは、最近の日本のLGBTの権利を巡る騒動である。
杉田議員の論文が、問題だとしても、同様の発言では、もっと前から、ほかの人たちによる問題発言は、あった。
「産む機械」とか。
「閉経して子どもの産めない女が生きているのは無駄」とか。
そういうときに、杉田に対するのと同じような「激しい抗議活動」が、あったのかって、なかっただろ。
そら、一部では、抗議をされたかもしれないが。
「ヒトの価値を、再生産力で評価すること」が、「本当に問題だ」と思っているなら、もっと前から、「そういう政治家たち」は、杉田と同じように、徹底的に叩かれて、擁護をした雑誌は休刊するくらいのことになっていなければ、おかしいのである。
が、そうではない。
石原慎太郎は、なんの社会的制裁も受けず、再選されているし、柳澤伯夫だって、議員辞職などは、してない。
じゃ、どうしてなのか。
LGBTの人たちだけが、特別に、守られなければならなくて、普通の女性は、バカにされても構わないと、いうことなのか。
そんなわけはない。
だから、カバノーに戻るのである。

「アイデンティティによる分断」は、戦争を推進するための戦略である

カバノー承認投票に怒る人たち。「分断」を感じますね。
「アイデンティティによる分断」というのは、国民を、国内の反目に集中させるための戦略なのであって、それに集中してしまうことの結果は、戦争と、戦争産業と、それを前提とした植民地支配が続くこと、なのである。
アメリカ人は、人種、宗教、支持政党、性的志向(ゲイかどうか)、性転換者であるかどうか、そして「性別」でも、分断されるようになった。
アメリカの男性は、いつも不安でたまらず、いつ自分も、身に覚えのない罪で告発されるかわからないと、そういう状況になった。
トランプ↓「若い男性にとっては、非常に恐ろしい時代になった」
そこに、アメリカの女性が、「守ってあげるわよ」なんて、言い始めたりしている。
We Defend Our Men · POLITICAL RHETORIC BUSTERS · Disqus
夫や恋人を、虚偽の告発から守るのが、女性の務めだ、と。
あの人は、絶対にそんな人ではないと、証言をしてあげるわよ、と。
何をくだらないことを言っているんだ。
「守ってやる」ということは、「妻や恋人の言うことを聞いていれば」、という話だから、ここでも、男女の分断は、進むのである。
男は、「妻や恋人に逆らったら、もしものときに、庇ってもらえなくなる」とか思い、うっぷんがたまるだろう笑。
そんなことをやっているよりも、外国でやらかしている戦争を、一刻も早く、やめさせなければならないというのに。
そして、朝鮮半島や、日本のように、要らぬ米軍の駐屯で、迷惑をかけている国のことも、早急に対処してもわらねばならない。
さらに、「国内の貧困」というのも、かなり深刻なようなので、それだって、なんとかしなければならない。
American decline: Open pools of raw sewage in the richest country in the world — RT Op-ed
「国内の分断と反目」などに、集中している場合では、絶対にないはず、なのだが。