それはかすれてしまいそうな僕の記憶の中で決して色あせることのない永遠の記憶。まだ幼稚園にも入っていなかった僕にとってはひとつ上の兄は貴重な僕の遊び相手だった。そのひとつ上の兄に連れられて行った近所のアパートで、僕は今なお忘れない瞬間に出会った。いつもどおり兄、兄の友達、その友達の姉妹、僕とでどこそことなく遊んでいると、近所の小さな畑の上を通って僕達のいるアスファルトの小道に向かって歩いてくる女の子がいた。