欧州の二大盟主国、独仏首脳会議の欧州金融安定基金(EFSF)発足なれど、即効性に
かける内用で、一時的にマーケットは反応したものの、6日の債券市場で、
欧州の救済基金である欧州金融安定基金(EFSF)が発行した債券が約1週間ぶりに下落しているようです。
格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)がドイツとフランスを含めたユーロ圏15カ国の
信用格付けを引き下げ方向で見直すと発表したことに反応したものですね。
EFSFの2016年7月償還債(表面利率2.75%)の価格は0.02下げ101.54、16年12月償還債(同2.75%)
価格は0.06下落の101.07となっている模様です。
S&Pは5日遅く、ユーロ圏の「システミック・ストレス」がここ数週間で高まったと指摘し、
ドイツやフランスなどの「AAA」格付け国を含めた15カ国を格下げする可能性を示唆しました。
最上級格付けを持つドイツやフランスが格下げされれば、EFSF債のAAA格付けにも影響し、
調達コストが上昇するリスクがあるといえるでしょう。
EFSFは今年4回の起債で計160億ユーロ(約1兆6630億円)を調達している模様です。
四回も起債して、調達金額が僅か1兆6630億円を高いと見るか低いと見るか
ひとそれぞれでしょうが、決して両手を上げて喜べる状態ではなさそうです。
ドイツ国債の応札割れは、相当なインパクトを市場に与えたことでしょう。
ドイツ政府が23日実施した10年物国債の入札は、応札額が募集額を35%下回る「札割れ」となったことは
衝撃的と言えるでしょう。
ドイツはギリシャやイタリア、スペインなど南欧諸国が苦しむ中、唯一貿易黒字を叩き出し、
この世の春を謳歌してきたのですが、どうもそうはいかなくなってくる模様ですね。
欧州において、もっとも強い製造業を背景に、貿易黒字を積み上げてきたものの、
言わば、欧州各国の犠牲の元に、成り立っている繁栄が、暗い影を落とします。
欧州の主要国の多くがドイツ製を購入している現実。つまり消費してくれている他の欧州の
国々の散財によって成り立っている構図を抜きには考えられなくなってきているのでしょう。
新聞を読んでいたら、思わず苦笑いしてしまいましたが、高級車ポルシェの最大の輸入国は
ギリシャだそうですから驚きです。
確かに、欧州のタクシーなどは多くがドイツ車だったりしますから、それだけ商品に対する
信頼度が高いという証です。ただそうものんびり構えていられなくなって来たようですね。
そもそもギリシャなどは旧態然とした、社会構造的問題や賄賂や脱税が横行するのが
ごく普通だったりする国。(のように報道されていますが。。。)その国々を
救うのはドイツしかない、というのも皮肉な状況ですね。
ドイツ国民からしたら、感情逆なでする思いなのでしょう。
生真面目気質のドイツ人からしたら、ギリシャなどは、能天気に散財したつけを
なんで自分たちが背負わなければならないのか?と言いたくなるのことでしょう。
ギリシャの中間所得j層でもセカンドハウスを持っているのが普通だったりする国情を
観れば、感情的になってくることでしょう。
それでいて、当のギリシャは、ドイツを敵視する感情が世論にあるのが、これまた不思議な現象です。
かれらの言い分とすると、「自分達がドイツ製品をたくさん買っているから、儲かっている。
何に困ったときに金を貸さないのはどういう了見なんだ」という論法のようです。
強い財政規律を保ちたい、メルケル、ドイツ首相は悩ましいことでしょう。
国内からは、他の欧州諸国救済を批判され、外圧からは、その指導力、決断力を批判され、
踏んだり蹴ったりといったところでしょう。
ドイツからすると、安い労働力を確保できる東欧諸国に資金が流れ、南欧には向いません。
南欧は消費してくれる相手国に過ぎないのです。
とは言うものの、ドイツ無しにはもう立ち行かないユーロ圏に、劇的な変化を求めるのは
時期尚早というものかもしれません。
それでも、背負って行かねば、立ち行かないのでしょう。
東西ドイツを統一し、成長軌道を維持し続けるには、単一通貨ユーロは不可欠だった
背景もあり、ユーロ崩壊は是可否でも食い止めなくてはならないのは明白です。
アメリカからもメルケル首相の反応の遅さを避難する声が上がっていますが、
否が応でも不退転の決意で、これに臨むしか道はないのかもしれません。