金有さんの自宅は、赤川探偵事務所近くのバス停から
4個目の停留所のすぐ近くにある。
「うわ、すごいかも・・・。」
可憐は大きな邸宅に驚いて固まっていた。
「可憐さん、金有さんが待ってますよ。」
「そ、そうね。それにしても立派な家・・・・。」
「ベルを鳴らすわよ。」
「「はい。」」
きんこんかんこーん・・・・・
さすがはお金持ちの家。ベルも立派である。
しばらくすると、門が開いた。
そこには、20代くらいの若い男の人が立っていた。
「うちになんか用ですか。」
男はあんずたちを見回した。
「私は赤川探偵事務所の社長の赤川と申します。
金有さんに調査を依頼されて、ここに来たのですが。」
「親父ならリビングでくつろいでるけど?
まあ、いいや。こちらへ。」
男はあんずたちを案内した。なぜなら、庭が広すぎるからだ。
だが、あんずは男の態度に腹が立った。
「失礼ですが、あなたは?」
「俺は長男のまさるだ。それが何か。」
「いえ、どうもありがとうございます。」
「そういえばお前、不良っぽい格好してんな。
本当に探偵なのか?実はスパイだったりしてな!」
あんずの中で何かがブチっと切れた。
「あなたがそう思うなら、勝手にそう思えばいいじゃないですか?」
「・・・生意気なガキ。」
そういうアンタのほうがガキだ・・・と、あんずは思った。
だが、仕事は仕事だ。やるしかない。
「着いたよ。ったく、こんな広い庭、無駄すぎるぜ。
親父ー!!スパイが来たぜ。」
「スパイじゃありません。赤川探偵事務所の物です。」
社長は強い声で言い返した。
まさるの態度はあんずだけでなく、社長も気になるようだ。
・・・続く。