Clover-Chronicles -4ページ目
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終 章-かぞく-

たくさんのチコと、たくさんの望遠鏡。ほうき星は、チコたちの立派な家になりました。


今日は、新しい仲間の歓迎会。

女の子は、チコたちをキッチンに集めいつもより 少しおおきな声で言いました。


「さあ、みんな!今日はパンを作りましょう。星くずを、たくさんふりかけた、星くずパンよ。」

チコたちは、大喜び!いそいそ材料をそろえに走ります。


女の子は、一人思うのでした。
「ずっと、この子たちのそばにいよう。いつか巣立つ日が来るまでは、だれも寂しくないように。別れの日が来ても 笑顔で見送ってあげたいわ。」


「それが、ママのしあわせなの。」


女の子は、目を閉じて、やわらかい光に包まれた あの青い星を、思いました。
「でも、百年に一度くらいは、あの青い星に帰ってパパの、自慢のおヒゲにさわりながら暖かいひざの上で、うとうとお昼寝したいわ。」


チコと女の子を乗せた、ほうき星は 旅を続けています。


今では、数え切れないほどこ、たくさんの「家族」を乗せ白く輝く尾をひいて、百年に一度、ふるさとの星に立ち寄るといいます。


-おわり-
Clover-Chronicles-i.jpg

足の下に咲く花

1人の男の子が何も見えない真っ暗闇を歩いている。
「どうしたの?」僕が声をかけると
「ただ歩いてるだけさ。」アッケラカンとした答えが返ってきました。
「こんな何も見えない真っ暗闇を歩かなくてもいいじゃないか。」
と返すと『フヘッ?』って顔をしながら僕の手首を掴みこう言います。
「キミにはこんなに素晴らしい世界が見えないの?」

俺にはこの子が何を言っているかサッパリ。
実際、男の子の顔も良く見えてません。
「何も見えないんじゃない。」
と言うと男の子はタメ息をつきながら、
「何も見えないんじゃない。キミが見ようとしてないから見えないんだよ。」
俺は『キョトン!』としながら言われた意味が分りません。
もちろん回りを、よ~く見ても真っ暗なまま。

「キミの足元には何がある?」
そう言われると手探りで探ってみる。
しかし私にはサッパリ分らない。
「何もないけど…」
男の子は私の目の奥を覗き込む様にこう言いつづけた。
「キミの生きる基杖を支えている物は?」
「キミが生きる為に必要とした物は?」
「キミが生きる為に与えられた物は?」
「生きとし生ける者が必ず必要とする物は?」
「お金?家族?仕事?幸せ?家?車?」
「何もなくなっても…」
「しかしキミは生きている。何故だと思う?」

「キミが生きて行く中で使い続けた物は。」
「他の物や者の命。」
「衣類、住宅から食事、運動、睡眠まで」
「生きているだけで何かを犠牲にして」

「生きているだけで何かを取り込んで」
「そうした中でキミは生かされている。」
「キミはそうした命の上に立ち」
「これから更に犠牲を敷いた上に立ち続けていく」
「だからシッカリ足元を見なさい」

「素晴らしい世界が広がっているから」
ワシは色々考え思い巡らす事しかできずにいる。
そう…その世界が見えたから。
1瞬・1秒・1歩・1呼吸毎に何かを犠牲にしている事を…‥この道を最後まで歩き続けなければならない事を…‥その犠牲が無駄な犠牲にならない様に。
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