『お前、またやったな!』だって?
それはこっちのセリフだよ。
複数の女の子から、花火大会のお誘いを受けたのは、
まあ・・・
否定はしない。
けどさ、その中にいるんだよ。
俺じゃなく、実は・・・貴方を狙っている子が。
俺をダシに貴方を・・・って策士がいること、
いいかげん、気がついてよ。
自覚してよ、貴方・・・モテるんだよ。
気づいてないの?
今も密かに注目されてるんだよ。
ブリトーに夢中な貴方を、頬染めてチラ見してく人いっぱいよ。
普段のふにゃんとしてる可愛いし、
いざって時は、頼りになる。
各種の色気を振りまくなよ。
知ってるんだからね。
内緒にしてるつもりだろうけど。
貴方・・・たまに告白されてるって。
女の子だけならまだしも、
いるからね!同性で、貴方を狙っている輩が!
・・・俺以外にも。
中3の今でこの色気だもん。
この先どうなるのか・・・
そりゃ牽制するでしょうよ。
俺のだって!ってアピールは必要。
ただでさえ、一個下っていうハンデ背負ってるんだから。
それが独りよがりでも。
分かってよ。
そろそろ限界なんだ。
貴方が、俺じゃない、誰かを選ぶ前に・・・
今年の花火大会で、俺は・・・
「ねえ、本当に今年もおいらと行くの?
翔くんと一緒に行きたい人、いっぱいいるんじゃないの?
女の子だけでなく、男友達とかもさ」
・・・何?
その上目遣い。最強なんですけども!!
「何?貴方俺の他に行きたい人とかいるの?
約束してるの?
もしかして・・・好きな人でも・・・できた?
これから誘うの?」
「ばっ!ちがっ、そういう意味で言ったんじゃ・・・」
「なら問題ない。
俺が貴方と行きたいの。
あ、浴衣着てきてね!」
「え?マジで言ってんの?」
「マジで言ってる。
花火大会といえば浴衣っしょ!」
「え〜〜〜〜。浴衣着て可愛いのは女の子だけだよ」
は?何言ってんの!
浴衣智の破壊力は半端ないよ。
「はい決まりね。
ああ楽しみだな〜」