「・・・ねえ、何か・・・企んでる・・・の?」
「え〜?企んでなんてないよ〜。
何でそう思うのぉ〜」
いやいや。
翔ちゃん、ごめん。
ちょっとめんどくさい。
視線に耐えきれず、圧に負けて声を掛けちゃったけど。
このやり取り・・・
ちょっとめんどくさい。
「・・・違うならいいや」
「え?!」
「え?」
「・・・」
「・・・」
「・・・相葉くん誰にも言わない?」
やっぱりあるのね。
ならさっきのないよ〜いらなくない?
これに大ちゃんは毎回対応してんのかな?
やっぱりすげーな。
「ここすごくない?好きそうじゃない?」
PCを向けられた。
「ん?これキャンプ場?」
好きそうじゃない?誰が?
あっ!
「大ちゃんが?」
「わっ!バカバカ!声大きい!」
「んががっ」
いやいや、今俺と翔ちゃんしかいないし。
今日は俺ら2人の仕事だから、
他のメンバーも大ちゃんも来ないでしょ?
なんなら、翔ちゃん、大ちゃんのスケジュールは完全把握してるでしょ?
今どこにいるか1番知ってるでしょ?
え?そういうこと?
「え?今日大ちゃんくるの?」
「来ないよ。
今日智くんは、ニノと松本と3人仕事。
さっきニノから智くんの隠し撮りと、
ツーショットが送られてきた。
く〜!ニノめ〜」
ああ、しまった。
テンション下げちゃった。
「・・・ええっと、これって大ちゃんに内緒なの?」
慌てて翔ちゃんのPCを指さす。
「ん?ああ、そうまだ計画段階なんだけど、
マネに頼んで2人分の休みのスケジュールは確保してある」
ああ、そうなんだ。
もう確保してるんだ。
「あ、休みの話、智くんはまだ知らないから言わないでよ。
言ったら釣りかキャンプの予約入れちゃうから!」
ああ、なんか想像できる。
「なるほど、いいんじゃない。
これ大ちゃん喜びそう!」
「やっぱり〜!いいよね!オフを2人で過ごすって。
喜んでくれそうだよね!俺のこと惚れ直してくれるよね?」
「それは分かんないけど。
なに?まだ足りないの?
仕事もプライベートも一緒なのに」
「足りないよ!
最近智くん、俺をほって一人で釣りかキャンプに行っちゃうもん。
俺は智くんともっと一緒にいたいし、
もっともっと俺のことを好きになってほしい!」
「もう恥ずかしいな!
そ、そんなことは俺じゃなくて大ちゃんに直接言ってよ」
「だな、でね、ここのすごいとこはさ・・・」
大ちゃん好みの旅行プランを嬉しそうに俺に語る翔ちゃん。
本当に幸せそう。
相変わらずラブラブだな。
きっとこれがずっと続いてくんだって、
そう思ってた。
だから・・・
俺は大ちゃんの企みには全然気づけなかった。