「・・・綺麗だね。
ずっと見てられる」
「・・・うん」
うん。
ずっと見てられる。
あなたのこの横顔。
いつも以上に瞳がキラキラで、
この時間、
すごく好き。
好きな人と手を繋いで、
同じものを見る。
同じ時間を過ごすってすごくいい。
こんな風に思ったことなかった。
ドラマや映画、小説、
友達の話、本当だったんだな。
1人なら、
こうやって立ち止まって見ることはなかった風景。
2人でも、
今までこんな風に思ったことなかった。
こんな風に相手に合わせることはなかった。
あなただから・・・
あなたに合わせたいし、同じものを見ていたい。
この時間がすごく心地いい。
「・・・あ、ごめん。
時間大丈夫?
こうやってクリスマスのイルミネーションを見にきたことがなくて、
見入っちゃってた。
翔くんはきっと・・・見慣れてるよね」
「全然。
初めてかも。ちゃんと見たの」
「もう、嘘ばっかり。
翔くんみたいな人が、初めてなわけないじゃん」
まあ、確かに初めてではないけど。
けど・・・
「・・・俺みたいな人?」
「・・・モテモテ男子。
今気がついた。
さっきから、結構な人が翔くんを振り返ってる」
いやいや、
確かに俺を見てる人もいるかもだけど・・・
違うっしょ!
智くんを見てるんだよ。
「・・・本当、自分を知らなすぎる」
「え?」
ぐいっと智くんを引き寄せる。
ダメだよ、みんな。
これ、俺の大事な人なんだからね!
智くんを見ていいのは俺だけ。
俺が見ているのは智くんだけ。
「・・・し、しょうくん?」
「そろそろ行こうか。
俺、買いたいものがあるんだ」
「ん?買いたいもの?」
「本当は事前に準備しておきたかったんだけど、
何にしようかすごく迷って、現地調達しようかと思って」
「・・・ん?」