「・・・にゃん」

 

 

「ん?どうした?

そこに何かあるの?」

 

 

ん?

何あるって?

あるでしょ?

しょうたいじょうが。

 

 

おにいさんようせいさんが、

しょうたいじょうが教えてくれるって言ってたから、

いつお知らせが来てもいいように、

口にくわえて持ち運びして、お仕事の時も持ってきてる。

 

 

で、いつかいつかと、

じっとお知らせを待ってるんだけど・・・

 

 

全然こない。

 

 

そもそもどんなふうにお知らせしてくれるのかも知らない。

ようせいさんに聞いておけばよかったかな?

 

 

おいらずっと持ち歩いてるのに、

本当に翔には見えていないんだ。

 

 

「翔さん?どうしたの?」

 

 

「う〜ん、昨日から、

さとしが変なんだよ。じっと何かを見てんの。

で、俺に訴えてくるんだけどさ、

わかんないのよ。

ほら、今も見てるだろ。

俺には見えない何かがそこにあるのか?」

 

 

あ、ニノは見えるかも!

 

 

「にゃんにゃん!」

 

 

「・・・さとしの前には何もないですよ?」

 

 

「にゃ〜ん」

 

 

・・・やっぱりニノにも見えないんだ。

 

 

「なになに?さとしがどうしたの?」

 

 

あ!まーくん!

まーくんになら見えるかも!

 

 

あのね、ここにね!

 

 

「相葉くん!さとしがおかしいんだ。

病院とか連れて行ったほうがいいかな?

昨日からじっと一点を見つめているんだ。

ほら、今も」

 

 

おいらおかしくないもん!

おかしいのは翔だもん!

 

 

「え?病院?

え〜、確かにじっとしてるけど、

いつも通りに見えるけどな。

さ〜とし!おやつあるよ、食べる?」

 

 

「にゃん?」

 

 

おやつ?食べる!!

 

 

「お、よしよし。

これ好きだもんね!」

 

 

「にゃん!」

 

 

まーくんの手のひらのカリカリのおやつ、

おいらこれ1番好き。

さすがまーくん。

 

 

けどやっぱりしょうたいじょうは見えないみたい。

 

 

「ほら、いつものさとしだよ。

気のせいじゃない?

さとしだってじっとしてることあるよ。

っていうか翔さんのほうが疲れてんじゃない?」

 

 

「・・・そうかな?」

 

 

「そうだよ!だから翔さん明日休んでね。

あ、さとし、お水も飲んでね」

 

 

「にゃん!」

 

 

潤くんがお水がお水を入れてくれた。

・・・やっぱり潤くんにもしょうたいじょう見えないんだ。

 

 

なんでみんな見えないのかな?

おまじないがかかってるって言ってたけど、

本当に不思議。

 

 

「は?松本何言ってんの?

なんで休み?」

 

 

「・・・この前の日曜も休日出勤したでしょ?

ちゃんと知ってるんだからね!」

 

 

「あっ・・・

でも明日も商談が・・・」

 

 

「翔さんがいなくても大丈夫!

先方にも連絡済み。

張り切って仕事詰めて、倒れられたほうが迷惑!」

 

 

「・・・お前言い方他にあるだろう?」

 

 

「マジで言ってんだかんね!

社長が倒れたら大変なんだから。

明日は休み!きても追い返すから!

さとしも頼んだよ。仕事に行こうとしたらガリッとやっちゃって大丈夫だから」

 

 

「にゃん?」

 

 

ガリッと?

翔を?

 

 

「さとし、よかったな〜

明日翔ちゃんにいっぱい遊んでもらえるぞ!」

 

 

「にゃあ?」

 

 

笑顔のまーくんが、

おいらの頭をよしよしする。

 

 

よくわかんないけど、

翔と遊べるのは嬉しい。

 

 

何して遊ぼうかな?

やっぱり猫じゃらしかな?

んふふ。