「・・・しょおくん、ごめっ、
しょおくんの手、よごしちゃった・・・」
恥ずかしそうに、
両手で顔を隠す。
「隠さないで、
智くんのイったあとの顔、すげ、可愛いんだよ。
もっと見せて・・・」
その両手にキスを落とす。
その間に、そっと智くんの熱をティッシュで拭き取る。
「・・・ばかぁ」
「ねえ、手、どかして」
「え?」
「キスしたい」
「え?で、でも・・・」
顔を隠す智くんの両手を掴んで、
顔の横にどかし、真っ赤になってるほっぺにキスをする。
「あっ・・・んっ」
可愛い俺の智くん。
全部俺の・・・。
おでこにキス。
鼻にキス。
真っ赤に熟れた唇にもキス。
「しょおっ・・・んっ・・・あっ・・ん」
「さとしっ・・・すきだ」
「・・・おいら・・・も」
ああ、本当に可愛い。
キス・・・止まらないかも。
「しょおく・・・もう・・・」
もう?
もう何?
「・・・誰か帰ってくるかも・・・服・・・着ないと」
「大丈夫、まだ、誰も帰ってこないよ・・・ちゅっ」
「あっ・・・ん、しょおく・・・」
<ただいま〜〜〜!
あ、にいちゃん帰ってきてる〜〜!!
あれ、おかあさーん!クツがもう一個ある〜〜、誰か来てるー!>
<あら、珍しい。お兄ちゃんのお友達かな?>
<ごあいさつしてくる〜〜!>
<え?ちょ!ダメよ、お勉強中かも。
あっ・・・待ちなさい!>
「「っっ!!!!!」」
やべっ!
母さんと弟が帰ってきた。
しかも、ごあいさつだって?
まずい。俺らまだ2人とも裸のまま・・・
弟の階段を上がってくる足音が、
近づいてくる。
智くんにアイコンタクトして、
2人して急いでベットを飛び降りて、
それぞれの脱いだものを手渡し、
身につけていく。
「コンコン、にいちゃん、
ただいま〜〜
お友達来てるの〜〜?」
弟よ。
ノックしながらドアを開けるのは、
マナー違反だぞ。
「おかえり、
そう、にいちゃん、今お友達と勉強中だから、
遊べないぞ」
部屋の中が見えないように、
ドアと弟の間に身体を入れ、
弟の視界を遮る。
智くん、今のうちに服着て。
「・・・あれ?にいちゃんなんで、
服のボタンしてないの?」
「そ、それは・・・帰ってきたから、
部屋着に着替えてた最中だったの」
頑張ったけど、
シャツのボタンまでたどり着かず、
羽織っただけ。
「・・・お着替え?
お友達が来てるのに?」
弟ながら、
鋭い指摘。
「お、男同士だから、
お着替えしても大丈夫なの!」
・・・だよね。
「ふ〜ん。ぼく、ごあいさつする〜〜!」
「あ、おい、こら!」
隙間をすり抜けて、
弟が部屋が侵入。
智くんは今どんな状態?
間に合ったか?
「あ、にいちゃんがいつもおせわになってます。
ぼくは・・・おとうとの○○です」
「んふふ、可愛い。
お利口さんだね。おいらはにいちゃんのお友達の大野智です。
よろしくね!」
「さとし?」
おいおい弟よ、
智くんを呼び捨てとは聞き捨てならんな。
「うん。
君は何年生なのかな?」
「ぼくは小学2年生です。
さとしおにいちゃんは?」
おし!
それなら許す!
「ん?高校3年生。
君のおにいちゃんの一個上だよ」
「じゃあ、さとしおにいちゃんが、
1番おっきいお兄ちゃんだ!」
「んふふ、そうだね。
そういうことになるかな?」
「・・・さっきから思ってたんだけど、
なんか、にいちゃんのお部屋、
いつもとにおいが違う」
「・・・え?」
え?におい?
それってまさか・・・、
俺らの・・・
弟に気づかれないように、
そっと窓を開ける。
「・・・なんか甘い?
おかしのせい?
さとしおいにいちゃんが甘いのかな?」
くんくんと智くんの首元に鼻を近づけてく弟。
「うわっ、くすぐったいよ」
「こら!何してんの?」
羨ましいぞ、弟!
それ以上は俺が許さん。
「あっ、わっ・・・」
弟を抱き上げ、
部屋の外に出す。
「にいちゃん達は、
お勉強すんの!お前はおやつ食べてこい!
冷蔵庫にプリンあったぞ」
「え?プリン?
食べてくる〜〜〜〜〜♪」
「おし!やっと行った。
ごめんね、智くん。
うちの弟が・・・」
「ううん、翔くんにあんなに可愛い弟くんがいたんだね。
でもまさかにおいをかがれるとは。
汗くさくなかったかな?」
「どれ」
「え?ちょっ・・・翔くん!!」
「智くんは汗くさくなんてない。
いつでも甘いいい香り」
「もう!恥ずかしいこと言うな!
翔くんのバカ!」
バカで結構。
だって本当のことだもん。
我が弟ながら、
侮れん。
よくぞ、
智くんの甘い香りに気がついたな。
けど!!
例え弟だろうと、
俺の智くんのクンクンするのは、
許さん!
それは俺の役目なんだから!
「・・・もう一回におっとこ♪」
「翔くん!!」