「え?え?ちょっ!なに?誰?」
「いいから来い!」
「は?な!ちょ・・・」
抵抗する大野シェフの腕を掴んで、
車に向かう。
後部座席に大野フェフを押し込み、
隣に乗り込む。
「ちょ!なんだよ、だれ・・・
へ?・・・翔?」
「・・・本社へ」
「は、はい、かしこまりました」
相葉に行き先を告げると、
車が発進する。
「え?ちょ!待って!
どこ行くの?」
「だから本社」
「なんで?
おいら、今日あんたと約束してたっけ?」
してないな。
あんたじゃなくて社長な!
「連れがいたの見えなかった?」
見えた。
見えたからかっさらった。
俺と昨日あんなのことしておいて、
今日は別の人?
「・・・あれは誰だ?」
「言わなきゃダメなの?」
「え?」
「社長とはいえ、
いちいち自分の交友関係を全部言わなきゃダメなの?
この会社はそういう決まりなの?
仕事が終われば、どこの誰と、飯行こうと、
社長のあんたに関係なくね?
いきなり連れ去られることってある?
こんなことある?」
・・・確かに。
冷静に考えれば、俺には関係ない。
シェフがどこで何をしようが、
俺は何か言える立場にない。
俺と大野シェフの関係は、
社長と支店レストランの調理長。
なんだけど、
さっき、俺以外の人間に嬉しそうに寄り添うシェフを見た時、
たまらなく腹が立って・・・
俺以外の人間?
何で腹が立ったんだ?
だからそれは、
昨日俺とあんなのことしておいて!だ!
なら俺は何だったんだ。
いや待て、
早とちりはいかん。
あれの真相をちゃんと聞かなくては。
ただ夢を見ただけかもしれん。
あの光景・・・本当に俺は・・・
「・・・お話中、失礼いたします。
大野シェフ、うちの社長が大変申し訳ありません。
・・・お連れ様に連絡を入れた方が良いのでは?」
「へ?あ、ニノもいたんだ!
あ、確かに!!連絡しないとびっくりしてるよね!」
シェフが、乗り出して助手席のニノを確認し、
スマホを操作し始めた。
「やべっ、
すげー量の着信とラインが来てる。
文字打つの面倒だから、電話していい?」
「ん」
「・・・で?」
「え?」
電話を終えた大野シェフが、
じっと俺を覗き込む。
「緊急の用事でもあったの?」
「あっ、ええっと・・・」
なんだっけ?
「・・・企画書が出来上がったので、
大野シェフの意見が聞きたくて、
伺ったんですよね?社長」
「そ、そうだ!」
二宮ナイス!
「・・・企画書?
ああ、侑李の?
それは全部侑李に任せるって言ったじゃん」
「あ、あと、
大野シェフの家の鍵をポストに入れ忘れたので、
返そうと思って・・・」
「なんだ、そうなの?
なら、さっき言ってくれれば、奢らなくて済んだのに〜〜〜」
「・・・どういうことだ?」
「ああ、さっきの連れがね、
今日飯おごってくれるって話だったんだけど、
説明したら納得してくれて、
『つぎ奢れよ』って」
「ああ・・・」
「素敵なお連れ様ですね。
いかがいたしましょう、
行き先は社長室でよろしいですか?
どこかお店の手配をいたしましょうか?
社長室に準備することもできますが?
シェフは食事に行く予定だったということは、
食事まだされていないんですよね?」
ああ、なるほど。
俺もちょっと腹が減ったな。
「あ、ならさ、
みんなでご飯行こうよ!
ニノたちも腹減ってるでしょ?」
え?
・・・みんなで?
どうする?
A 大野シェフの提案に乗って、
みんなでご飯に行く。
B 昨日の話を2人に聞かせたくない。
社長室に行く。食事は何か取り寄せる。
コメント欄でお答えください。
締め切りは3日後の26日いっぱい♪
次のお話ををアップすると同時に、
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(多少時差あり)
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◇◆◆◇◇◆◆◇
読者さん参加型のお話、
『I seek』
たくさんのご参加ありがとうございます♡
9話目の結果、
非公開希望のコメントも集計したところ、
A 大野シェフの家のポストに鍵だけ入れに行く。 7票
B 大野シェフをかっさらっていく。 61票
櫻井社長大胆な!!
かっさらって行かれました♪
次はどっちかな?