「もう翔くん!

おいら全然大丈夫だから!

心配しすぎだよ」

 

 

「いやいや、心配しすぎなぐらいがちょうどいいんだって!」

 

 

「もう!おいらは子供じゃないよ」

 

 

智くんのことは絶対的に信用してるし、

信頼もしてる!

俺がしてないのはあいつらだよ。

 

 

「もう・・・でもサッカー部って大変なんだね。

たったの数時間で、あんなにケガするんだね。

おいらびっくりしちゃった。

まあみんな軽いかすり傷で、絆創膏張るぐらいだったけど」

 

 

それな!!

 

 

いつもなら、

そんなことで絆創膏なんて貼りに行かないのに、

あいつら・・・ここぞとばかりに。

 

 

いつも以上に張り切って、

いつも以上にケガ作って。

 

 

俺の智くんなのに、

あいつら隙があったらすぐに智くんのとこ行くんだから。

油断ならない!

 

 

「ん〜、消毒して絆創膏貼るのは出来るけど、

テーピングとか、全然わかんないから、

ちょっと勉強した方がいいかな?

本とか売ってるよね?」

 

 

「え?売ってるけど、

智くんはそこまでしなくても大丈夫だよ」

 

 

でも、マネージャーをお願いしたのは、

臨時の短い時間なのに、俺らのことを、

サポートしようと考えてくれているのが嬉しい!

 

 

「あ、そうだ、部活の時ってどのTシャツでもいいの?

おいら、運動部に入る気なかったからさ、

体操服、これと、あと1組しか持ってないんだ。

なんでもいいなら、今後買いに行こうかなって思って」

 

 

智くんがきてる体操服を掴んで、

困ったって顔をする。

 

 

確かにそうだよな。

授業でも体育って少ない。

 

 

運動部に入っても、練習着って言うか、部Tを買うから、

体操服俺も2枚ずつぐらいしか持ってないや。

 

 

「なんでもいいよ。

動きやすい服なら。わざわざ買うのはもったいないよ。

・・・あ、俺の部Tでよければ貸そうか?」

 

 

そうじゃん。

俺のを着てもらえばいいじゃん。

 

 

「え?」

 

 

「自分で買うのもあるけど、

卒業していった先輩からお古をもらったりするからさ。

あ、テーピングの本も、俺持ってるから貸してあげるよ」

 

 

そうじゃん!

なんで気がつかなかったんだ!

 

 

「いいの?

もし買いに行くなら一緒についてきてもらおうかなって思ったんだけど、

じゃあ、貸してもらおうかな」

 

 

「え?」

 

 

「え?」

 

 

・・・え?

さっきのデートのお誘いだったの?

一緒に買い物ってデートでしょ?

 

 

しまった!

気がつかず俺の貸すだなんて。

いや待てよ。

この場合どっちか正解?

 

 

俺のTシャツ着て部活する智くん・・・最高じゃん!!

一緒に買い物に行って、俺の選んだTシャツ着る智くん・・・最高じゃん!!

 

 

どっちも最高だ!

俺のTシャツ着てほしいし、

俺の選んだTシャツを着てほしい。

っていうか、買ってあげたい。

 

 

ああ、どっち?

 

 

「・・・翔くん?

ごめん、借りるのやっぱりダメだった?」

 

 

しゅんとした顔する智くん。

違うんだ!ちょっと邪なこと考えてただけなんだ!

 

 

「全然!!俺の着て!」

 

 

「んふふ、ありがと」

 

 

ああ、

これでデートがなくなった。

あ!・・・でも・・・あの手があるじゃん!!

 

 

「ねえ、智くん、

今日この後時間ある?」

 

 

「へ?この後?」

 

 

「・・・時間があるならさ、

今から、俺の家に取りに行く?」

 

 

「え?」

 

 

 

 

下心はない。

Tシャツとテーピングの本を取りに行くだけ。

うんそれだけだから。

 

 

・・・多分。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ああ、『愛のかたまり』

素敵すぎて、リピが止まらん!!

フルで聴きたい♡

 

 

そして、まさかの!

『言葉より大切なもの』

 

 

「あるから〜〜〜〜!!」

ともちろん叫びました。

ノリノリで聴いていたら・・・

 

 

 

〜〜〜この時だけは君と共に〜〜〜

 

 

 

・・・泣くよもう。

キャンプの写真もさ、

翔くん・・・ありがとう。

泣く〜〜〜〜