「この拓哉って人?から、
迷惑メールが来てたころにさ、岡田からも来たの」
「え?岡田さんから?何が来たって?」
「んふふ、迷惑メール」
「・・・は?
なんで岡田さんが迷惑メールを?」
「あれ?おいらのスマホ見たんでしょ?」
「見たけど、岡田さんからのメールは開いてない!
誤解ないよう言っておくけど、俺が見たのは、
拓哉って人からの迷惑メールだけだからね!!」
・・・って、
なんの言い訳にもならないけど。
いくら恋人はいえ、スマホを盗み見るのはマナー違反!
最低だ、俺。
いくら緊急事態だからって。
・・・それだって俺だけが勝手にそう思っただけだし。
本当に申し訳ない。
その上勘違いして、乱暴に智くんを抱いて、抱き潰すなんて・・・
「ええっと、智くん・・・」
「ん?なんだ、岡田から来たの見てないんだ。
岡田から来たのはね、
『迷惑メールです。
連絡するかしないかはお前次第。
櫻井の今のアドレスは
***************』ってやつ」
「・・・え?」
「その迷惑メールって言葉に、あっと閃いてね、
拓哉って人からきたメールをね、
翔くんにそのまま送ったの。名前だけ智にや大野に変えてね」
「は?え?マジで?」
「なんて送ろうか迷ってて、
今更だし、でも・・・会いたいし。
ならば思い切って迷惑メールにしちゃえって!
きっかけっていうかさ」
思い切って迷惑メールにしちゃえって・・・マジか!
「だからあんなメール・・・
誕生日おめでとうメールだったのか?」
「うん。
翔くんが返信くれてよかったよ。
でも、返信待ってる間は気が気じゃなかった」
「そりゃそうでしょ!
あんな怪しいメール。
ちょっと身構えるでしょ!」
「んふふ。確かにね。
でも繋がった。
おいらにとってあの迷惑メールの差出人は、
恩人みたいな感じ」
「ああ、だからさっき・・・」
「うん。誤解・・・とけた?
おいら、本当に拓哉って人のこと知らないから。
返信も一回もしたことないし」
うん。それは見たから知ってる。
智くんはきたメールのどれにも返信してなかった。
なのに・・・俺・・・
「・・・智くん、ごめん。
勝手に疑って、勝手にスマホ見て、
自分勝手に貴方を抱いた、最低だ」
「・・・反省してる?」
「してます!!」
「じゃあ・・・許す。
おいらもそろそろやばいし」
「やばい?何が?」
「・・・の、のぼせる・・・」
「え?マジか!
なんでもっと早く言わないの!!」
「だってしょおくんが・・・」
「わわっ!智くん!」
智くんを抱き上げ、
風呂を出る。
バスローブを着せ、
ベットに連れて行く。
智くんを寝かせ、冷たいタオルをたくさん用意する。
頭や首などを冷やす。
「・・・しょおくん」
智くんに手を掴まれた。
そのまま智くんの頬に。
「んふふ、翔くんの手気持ちいい」
「あ、さっき氷触ったからかな?」
「ふふ、翔くんの顔は忙しいね。
怒ったり、驚いたり、泣きそうになったり」
「誰のせいだと思ってんの?」
「え〜〜?おいらのせい?」
でしょうよ!
貴方以外誰がいるの。
「ええっと、智くん、さっきのことなんだけど・・・
勝手にスマホ見て・・・ごめん。
もう絶対しないから」
「別に見られても平気。
びっくりしたけど。
・・・翔くんは?」
「へ?」
「見られたら困る?」
「困らない。俺は智くんだけだもん。
あ、でもスマホのことで一個、お願いしたいことがある」
「ふぇ?なに?」
「智くん、パスコード設定してないでしょ!
しておかないとダメだよ!落とした時とかさ、
何が起こるか分からないんだからさ!」
「え〜〜、しなきゃダメ?
今までそれで困ったことないよ?」
「今までは今まで。
これからのためにしておくべき!!」
「・・・むぅ、わかった。スマホ取って」
智くんのスマホを取りに行って、
智くんに渡す。
「じゃあ、パスコードは『0621』にする」
もう智くん。
俺に教えなくて大丈夫だよ・・・
ん?その数字、どこかで・・・
「6月21日は、
翔くんと再び繋がった日だから」
あ、あのメールくれた日だ!!
「さ、さ、智く〜〜〜〜ぅん!!」
「ば、ばか!盛るな!!
今日は絶対もうしないからな!」
「・・・分かってるよ。
でも抱きしめるぐらいいいでしょ?」
「そ、それぐらいなら」
「・・・キスもいい?」
「調子に乗んな!」
「・・・けち。
でも・・・する!」
「え?ちょっ・・・んっ!」
おしまい♡
・・・どうやら、
いちゃいちゃが描きたかったみたい♡
ちょいと強引になっちゃったけども。
ぐるぐるの原因はこれか?
ああスッキリ〜〜♪
リハビリ完了かな?
くろねこ🐾