「お前、NY行くんだってな」
「え?」
一体誰?
その話はまだ内示の段階。
俺の直属の上司しか知らないはず。
慌てて声のする方を振り返ると、
ニヤリな笑みを浮かべる岡田さんが立っていた。
「なんで知ってるの?って顔だな。
俺の奥さんから聞いた。喜んでたぞ!」
奥さん?喜んで?
あっ・・・
そういえば、岡田さん、
先月結婚された。
お相手は確か常務の・・・あの人だ。
俺の好きな人の話は知ってるから、
それで・・・喜んで・・・?
「大野帰ってきたんだ。
お前に会いに」
「え?」
「それもなんで知ってるの?って顔だな。
あいつのことならなんでも知ってるぞ。
なんせ同期だし」
「・・・え”?」
智くんの何を知ってるって?
まさか、この人も智くんのことが好きだった?とか?
「おいおい、そんな怖い顔すんなよ。
あいつの性格じゃ、電話じゃなくて、会って言うだろうなって話だ」
・・・・・
一体なんの話をしてる?
「大野、全然変わらないのな。
って言うか歳を重ねるごとに若返ってる気がする」
「・・・・・」
確かにそれは俺も思った。
智くん、さらに魅了的になってた。
魅力的な大人の男。
色気も一段と・・・
でもなんで?
なんで岡田さんが知ってんの?
まるで見てきたかのように言うじゃん。
智くん向こうに行ってから、
一度も日本に帰ってきてないはず・・・
え?もしかして帰ってきてたの?
俺が知らなかっただけ?
俺には連絡なしで、
岡田さんには連絡してたってこと?
俺には変わった連絡先すら教えてくれなかったのに・・・
なんで?同期だから?
「大野さんの連絡先、
ずっと知ってたんですか?」
「いいや、知らん」
は?何言ってんの?
もう意味がわからん!!
どういうことだよ。
「つい最近会ったんだよ。
新婚旅行先に大野がいてさ。あ、連絡先はその時交換した♪」
いやいや、普通いないだろ!
何?智くんに会いに行ったってこと?
なんで?何しに?
「はは、お前面白いな。
大野のことになると、笑顔の武装が剥がれるんだ。
いつもは誰にでも営業スマイルなのに」
「は?」
「何考えてるか、顔に出てる」
「え?」
マジか!
「幸せそうで何より。
で、今晩暇?
奢れよ!大野に奢られそびれた」
「は?一体どういうことですか」
「俺らがキューピッドってこと。
お前の幸せは俺らのおかげだ。
詳しくことは大野に聞け!」
「俺らって?」
「あ、でも、飲みに行くのは俺だけだから!
じゃあ、後でな♪」
「え?ちょ・・・!!」
返事してないんですけど?
何?智くんの代の人ってみんなあんななの?
わがままが過ぎませんか?
俺に予定あったらどうすんのよ?
ないけどさ!
そんで行くけどさ!
智くんに報告せねば。
そして、どういうことか確認せねば。
メールメールっと♡
昨晩の速報・・・
とても驚きました。
朝起きて、ああ、やっぱり夢じゃないんだなって。
嵐のメンバーが語るジャニーさんの話が好きでした。
だってみんなすごい笑顔で、
楽しそうに話すから。
ジャニーさん
たくさんの幸せ、
たくさんのキラキラをありがとうございました。
心からご冥福をお祈りいたします
くろねこ