な!な!な〜〜〜〜っ!!!!
今なんて言った?


『持つべきものは若くて可愛い後輩だよね♪』


若くて可愛いだって??


「あああああああああああああああああああ〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!!」


ビクっ!!!!


俺の声に、岡田くんをはじめ、
しずかに俺らのやり取りを見ていた3人が、
ビクっと身体を揺らす。


くっそ!くっそ!!
くっそ〜〜〜!!
どうして貴方って!!


認めるよ!
もういいよ!!


俺は急いで着替えて、
楽屋を出た。






・・・・・
・・・・・


しょおくんのばか、ばか、ばかばか!!
おいらの前であんなこと・・・


もういいよ。
岡田と飲みに行けばいいじゃん。


何が『ぶっさん♡』だよ。
何が『バンビ♡』だよ。
もう知らない!


いつの間にかおいら走ってるじゃん。
なんか恥ずかしい。


あ、そうだ!
のんちゃんに連絡。
我に返ってスマホを探す。


メール・・・よりも、
電話する方が早いな。


のんちゃん、のんちゃんっと。
のんちゃんの名前をタップする。


『あ、もしもし?大ちゃん。
お疲れ様です!今どこですか?
ちょうど今、タクシー捕まえたとこなんです。
場所教えてください』


「のんちゃん、お疲れ様♡
もうタクシーに乗ってるの?早いよ〜。
えっとね、ここは・・・え?!」


耳に当ててたスマホを、
誰かに取り上げられた。


『え?大ちゃん、どうかし・・・』


おいらからスマホを取り上げた犯人は、
ジロッとおいらを睨みつけながら、
勝手に話し始める。


・・・なんで?


なんでここにいるんだよ。


「もしもし?
悪いんだけど、智くんは俺と飯行くから、
今日は・・・いや、これから先も!
智くんの予定は開かないから、そのつもりで!!」


『え?誰?もしかして・・・
櫻井・・・く・・・』


それだけ言って、
おいらのスマホを自分のポッケにしまった。


「ちょ、ちょっと!!」


「何?!」


「・・・翔くん、
何のつもりなの?
何で勝手に電話切っちゃうの?
のんちゃんビッリクしてるはず!
スマホ返して・・・」


「・・・・だ」


「え?」


「何が『のんちゃん』だ!!」


「え?」


「いいから来て!!」


「うわわ!」


翔くんに腕を掴まれ、
そのまま外に引っ張って行かれる。


翔くんがタクシーを止め、
それに押し込められた。
翔くんに掴まれた腕が熱い。


無言のまま、
家に帰ってきた。


玄関に押し込められ、
ドアが閉まる瞬間に、
壁に押さえつけられ、
唇を奪われる。


「んっ・・・しょお・・・」


「・・・いよ」


「え?」


「・・・もう俺の負けでいいよ」


「んあっ・・・え?」


翔くんの唇が離れていく。
その代わりに翔くんのおでこがおいらのにひっついた。


「智くんが、俺以外の奴と仲良くするの・・・やだ。
もう、後輩とご飯行かないで・・・俺だけ見てよ・・・」


「・・・しょおく・・・ん」


「貴方は俺のでしょ?
・・・ちがうの?
本当に、若くて可愛い子の方が良くなった?」


翔くんの瞳が揺れる。


「・・・ばかっ、
そんなわけないでしょ?」


「うそだ、だって最近智くんはさ!」


「それは翔くんでしょ!!
おいらより・・・ふーちゃんや、岡田の方がいいんじゃないの?
もうあきたんじゃねーの?
おっさんのおいらなんて・・・んはっん」


また熱い唇が・・・
それだけじゃなくて、舌も・・・


おいらのもやもやを、
翔くんが絡めとってく。


唇がまた離れて、
今度は強く抱きしめられた。


「誰が飽きる?誰がおっさん?
こんな可愛いおっさん、どこにもいない。
飽きるわけないじゃん・・・
ずっと夢中なのに・・・
ずっと我慢してたんだよ?」


「んっ・・・が、がまん?」


「そう。だって智くん、
連ドラの後、アリーナに映画撮影だったでしょ?
そのあとライブ始まったしさ・・・
ずっとイチャイチャしたかったんだよ?」


「それは翔くんもじゃん。
オリンピックに、特別ドラマの撮影・・・」


「だからね、せめてヤキモチ妬かせたくて・・・」


「・・・しょおくん」


・・・おいらもだよ。
おいらもヤキモチ妬いて欲しかった。
だって・・・


「俺がどんだけ我慢したのか、
智くんにどんだけ夢中なのか・・・
今から証明してあげる」


翔くんの手が、
ジーンズの中に入ってくる。


「はあっ・・・だめっ・・・
こんなとこで・・・」


「・・・じゃあどこならいいの?」


ばか、言わなくてもわかるでしょ?


「・・・今日は朝まで・・・いいよね?」


それこそ言わなくてもわかるでしょ?
しょおくんのばか・・・


「ねえ、智くん、俺のこと好き?」


「・・・・・」


「智くん?」


「・・・好きだよばか!大好き!!」








ああ、今夜もキミと・・・
2人だけの秘密の時間。







おしまい♡