「・・・・・」


「・・・・・」


無言の智くんに引っ張られ、
シャワールームに押し込まれた。


「・・・こんなとこに連れてきて、
何するの?」


「ば!何もしないよ!!
ここしか人気のないとこがないの!
それよりこれどうするの?」


智くんが自分のTシャツを引っ張って、
俺がつけた首元のアトを見せる。


「ああ、まだしっかりついてるね」


「ついてるねじゃないだろ!
今日もコンサートで、みんなの前で何度も衣装着替えるのに、
なんでこんな・・・」


「それは昨日智くんと・・・」


「うわっ!!言うな!!
誰かに聞かれたらどうすんだ!バカ!」


「あれ?昨日のこと思い出したの?
昨日・・・何があったか、俺と何したか・・・?」


「お、おもいだせては・・・ないけど・・・」


「じゃあ、思い出させてあげようか?」


「いい!だってもし・・・」


「・・・もし?」


俺の問いにハッとした顔をする、
智くん。


「なんでもない!それより、
寝違えってことになってるんだから、
翔くんも話、合わせてよ!
これ貼っておけばなんとか誤魔化せるはず・・・
消えるまで寝違え作戦で行くから!!」


「ふふ、寝違えね〜
本当のこと言ってもいいよ」


だってきっと若干2名、
智くんの嘘に気がついてるだろうし。


「言えるか!!」


そう怒鳴って、
智くんは俺に背を向けて、
湿布を貼りだした。


うまくできなくて、
う〜んって唸ってて、
本当に貴方って可愛いよね。


「ねえ、貼ってあげようか。
俺のせいでしょ。責任取らなきゃね」


「・・・じゃあ、頼む」


口を尖らせた智くんが、
仕方なくっていう感じで俺の方を振り返って、
湿布を渡してくる。


「服着たままだからやりにくいんだよ。
ほら、服脱いで」


「・・・へ?」


「何?もしかして恥ずかしいの?
貴方の身体なんて見慣れてるよ?」


智くんが脱ぎやすいように、
わざとそういった。


「・・・分かったよ」


Tシャツを脱ぎ、
上半身裸になる智くん。


そして、俺から目をそらす。
それがなんとも言えずエロくて・・・


ああ、また手の届く距離に貴方がいる。


「・・・早く貼れよ。
貼らないならおいら自分でする」


俺から湿布を取り上げようとする智くんの手を払い、
智くんを抱きしめ、
俺のアトがついてる首元にキスをする。


「え?ちょ・・・なにして・・・やっ」


「何って上書き?
だって、これで隠すんでしょ?
もう一回つけても大丈夫じゃん」


「ばっ・・・なにいって・・・やめっ・・・」


俺は智くんの瞳を見つめながら、
智くんの首元に吸いついた。
シャワールームに、ちゅっ、ちゅぱっていやらしい音が響いてく。


「・・やめろってば!翔くん!!」


真っ赤な顔した智くんに突き飛ばされた。
智くんの白い肌に赤いしるしは数点。


ふふ、
また智くんの首元に俺のしるしがついた。


「・・・あれ?もしかして感じた?」


「ば!バカなことばっか言うな!」


「素直じゃないな〜
昨日はあんなに可愛かったのに〜」


「だから何も覚えてないって・・・っ」


智くんに近づくと、
智くんの身体がビクンと揺れた。


「・・・何?
また何かされると思ってる?
それとももっとしてほしい?」


「ちがっ・・!もういいから早く貼れよ!」


「はいはい」



これ以上はダメだな。
逆効果になる。
今日はこれぐらいにしてあげるよ、
智くん。