本当にさ、焦れったいのよ!
あの2人は。
みんなも思わない?


だってさ、誰がどう見てもさ、
2人はお互いを想いあってる。
両想いってやつじゃん。


みんな気付いてるよ?
なのになんで本人達は気が付かないの?


俺はさ、すぐ気がついたよ。
それこそ2人に逢ったその日に。


だって、翔ちゃんの視線の甘さが全然違うんだもん。
甘ったるい視線の先にはいつも大ちゃんがいた。


そして、大ちゃんも。
大ちゃんが無茶振りするのって翔ちゃんにだけなんだよね。
翔ちゃんにだけちょっとあたりがきついというか強気。


翔ちゃんだけなんだよね。
大ちゃんが甘えるのは。


ほんと2人して、
面白いほど、お互いを意識しててさ。
お互いの一言に一喜一憂。


付き合ってないのがほんと不思議だった。
想いを告げたらいいのにってずっと思ってた。


ふふ、俺これでも結構周りのこと見てるんだよ?


だからやっぱりすぐに気がついた。
翔ちゃんと同じ視線で大ちゃんを見つめてる2人に。


最初に動いたのはニノ。


でも大ちゃんとの関係は変わらなかった。
いや、それ以上になったのかも。
恋人とは違うもういっこのなにか。


ニノは大ちゃんのそばにいることを選んだ。


そして、松潤。
松潤は本当に真っ直ぐだよね。


大ちゃんの笑顔のために、
動かない翔ちゃんを、
・・・動かした。


うひゃひゃ、
ここ数日の翔ちゃんめっちゃ怖かったもん。
大ちゃんと松潤を見てる時。


その怖かった翔ちゃんが、
大ちゃんと一緒に楽屋に入ってきた時、
ピンときた。


だって、後ろから入ってくる大ちゃんを、
いつも以上の甘ったるい視線で見てるんだもん。


確認しなくても分かったんだけど、
念のため。
いや、やっぱ確認作業は必要でしょう♡


翔ちゃんに抱きついた時、
大ちゃんの香りがして嬉しかった。


大ちゃんに抱きついた時、
翔ちゃんの香りがして嬉しかった。


だってずっと見てきたからさ、
焦れったい2人をさ。


良かったね、翔ちゃん。
良かったね、大ちゃん。


俺もすごく嬉しい!!
っていうか遅いぐらいだよ!


2人して今までいっぱい我慢してきたんだから、
これからはいっぱい愛し合っちゃってよ。


あ、けど、くれぐれも仕事に響かない程度に。
ニノは楽屋ではダメって言ってるけど、
ちょっとぐらいならいいよ。


俺もさ、幸せそうな大ちゃんの笑顔好きだからさ。
翔ちゃん、大ちゃんのこと幸せにしてあげてね。
ヘタレてたら、怖い2人に大ちゃん持ってかれちゃうからね。


・・・さて、
今後のために聞いておこうかな?


「・・・ねえ、それにしても松潤、
一体翔ちゃんに何したの?
あのヘタレな翔ちゃんがあんな・・・」


メールしただけ?
メールであんなになる?
すると松潤はスマホ画面を俺に見せてくれた。


『今、大野さんち。
今から、大野さんを俺のもんにする。
一応、翔さんに伝えとくわ』


・・・うわっ。
何て男前なメール。
そりゃ翔ちゃん、動くよね。


「・・・大野さんには内緒な」


そう言って笑う松潤。
大ちゃんと視線があって、
「良かったね」って松潤の口が動いた。


・・・本当に男前だな。


俺も出逢えるかな?
翔ちゃんと大ちゃんみたいに、
ずっとずっと想っていられる相手に。


松潤みたいに、
その人のためなら、自分を犠牲にできる相手に。


・・・もしかして、もう出逢ってる?
ふふ、そうだといいな。


ん?
なかなか喧嘩を止めない翔ちゃんとニノに、
大ちゃんが困ってる。


2人を止めるのなんか簡単。


「ねえ、大ちゃん。
この前言ってたガトーショコラ、
買ってきたんだけど、食べる?」


持ってきたケーキの箱を大ちゃんに見せる。
すると、大ちゃんが嬉しそうに笑って、
俺のとこに来た。


「え?食べる!マジで!相葉ちゃん大好き♡」


「え?!・・・さ、智くん」


「・・・・・」


うひゃひゃ、ほらね。


大ちゃんが、
固まってる2人と、松潤にも声を掛ける。


「ねえ、みんなで食べない?
これ本当にうまいやつだよ~~」


嬉しそうにケーキを出す大ちゃん。


「じゃ、俺コーヒー淹れるわ」


「さ、智くんが食べるなら♡」


「・・・大野さんがそんなに言うなら、
食べてあげなくもないですよ」


大ちゃんの言葉で、
いつもの楽屋に戻った。



やっぱり大ちゃんの笑顔は最強だ♡









おしまい