「・・・・・」


「・・・・・」


「・・・話聞いてくれるんじゃないの?
なんでずっとゲームしてるの?」


話聞くって言ったくせに、
カウンセリング始めましょうって言ったくせに、
ニノはおもむろに鞄からゲームを出し、
いつものようにゲームをし出した。


「ん?話したいんですか?
さっき『いいよ、べつに』って言ってたし。
そうですかそうですか、
話したいことあるんだ♪」


な!な!
なんだそれ!自分が言い出したくせに!


「・・・ない!話したいことなんてない!」


「そうですか?
じゃあ、私はいつも通り・・・」


「あ!じゃあ、一個だけ」


「はい?」


「・・・あのさ、松潤ってさ、もしかしておいらのこと・・・」


「もしかして?おいらのこと?」


「いや!・・・なんでもない!
あ!そういえば!ニノもおいらの気持ち気づいてたよね?
なんで?なんでわかったの?
おいらそんなにわかりやすいの?」


「・・・わかりやすいどころの話じゃないですよ?」


「え?」


「もうだだ漏れ?って言えばいいかな?
さっきも言いましたけど、
あなた、顔に出るんですよ?
自覚してないんですか?」


ゲーム機から目を離し、
おいらの顔見て、ふふって笑うニノ。


「あなた、ずっと翔さんのこと目で追ってるもん。
翔さんの言葉に一喜一憂するんですよ。
見る人が見ればすぐわかりますよ」


「見る人が見ればって?
どういう人?」


「ふふ、さあそれは自分で考えてください」


「・・・ニノにバレて、
松潤にもバレてた。
じゃ、相葉ちゃんも気づいてる?
・・・もしかして、翔くん・・・も?」


「相葉さんは・・・動物のカンを持ってる男だから。
・・・翔さんは、こっち側の人間だけど、
なんていうか・・・鈍いっていうか・・・
自分の気持ちにいっぱいいっぱい?」


「・・・こっち側って?
自分の気持ち?翔くん好きな人いるの?
っていうか、
翔くんだもんね、
彼女に1人や2人・・・」


「・・・そんなに気になるんなら、
本人に聞いてみたらどうです?」


え?
翔くんに聞く?
彼女いるのって?
そんなの・・・


「・・・そんなの無理だよ」


「それが聞ければ、
全部解決するんですけどね」


「え?」


「いえ、こっちの話。
何、昨日Jと翔さんのこと話してたの?」


「え?う・・・うん。
松潤においらの気持ちがバレてて、それで・・・」


「他には?
他には何も言われてない?
何もされてない?」


「何もって・・・・っ!」


ふと、近づいてくる松潤の瞳を思い出した。
慌てて顔を左右に振る。


「・・・何かあったんだ~?」


「何もない!断じてない!」


「・・・もしかして、
Jにドキドキした?」


松潤にドキドキ・・・


「・・・ドキドキし・・・してないし!!」


「ふ~ん」


「もうニノのバカ!
おいら寝るから時間になったら起こして!」


「あははは!残念でした。
もうその時間だよ。だって・・・」


コンコン


「大野さん、二宮さん、
スタンバイお願いします~」


ニノの言葉が終わる前に、
スタッフさんが呼びにきた。


「・・・ね?」


「・・・むぅ」


「ふふ、行きましょうかね。
あ、大野さん」


「・・・なんだよ」


「大野さんが決めたらなら、しょうがないですけど、
いろんな選択肢がありますしね。
けどね、これだけは忘れないで」


「え?」


「自分の気持ちに嘘つかないこと。
そして、後悔しないこと。
私は後悔してませんよ、
大野さんに気持ちを伝えたこと」


「・・・え?」


「伝えたからからこそ、
今、あなたのそばに居られるんだから」


「・・・ニノ」


「・・・はい!カウンセリングおしまい!
報酬は新作ゲームでいいですよ?」


「は?なんで報酬?」


「だってお話聞いてでしょ?
言いませんでした?
私のカウンセリングは有料ですから♡」


「・・・頼んでないし!
支払うわけないでしょ!」


「往生際悪い人だな~。
でも報酬はしっかりいただきますから♪」


「うっせー!仕事だ仕事だ!
ほら、ニノ!置いてくよ!」


逃げるように楽屋を後にした。