「・・・ね、あれ本当なの?」


「ん?なにが?」


智くんとの雑誌の仕事。
今回は2誌。


浮かれて臨んだ取材中、
貴方が爆弾を落とした。


記者の方の「他のグループとの交流エピソード何かありますか?」の問いに、
貴方なんて言った?


「坂本くんと五右衛門風呂のロケしたとき、
連絡先を交換した!」


ええ?
初耳ですけど?


「メールで『飲みに行こう』みたいなやりとりはしたけど、
まだ実現はしてないね」


はああ?
それも初耳なんですけど!


さすがに記者さんの前で、
問いただせないから、
笑顔でごまかしてたけど、
やっぱりもう限界。


取材終わりの楽屋で、
着替えだした貴方に問う。


「・・・坂本くんとメールしてるってあれ」


「ん?うん。・・・ほれ」


智くんがスマホを操作して、
その画面を俺に見せる。


『この前は楽しかったな。
今度、時間合わせるから飲みに行こうぜ。
大野の予定、空いたら教えて。 坂本』


なにこれ!
坂本くん超乗り気じゃん!
坂本くんの方が予定合わせるなんて・・・


「・・・行くの?」


「ん?予定が合えばね。
だって先輩からのお誘いだし」


「・・・・・」


まあ、そうだよね。
坂本くんは大先輩。
その誘いは断れないよね。


・・・でも


「・・・なに?
もしかして、心配してるの?
坂本くんと何か・・・とか考えてる?」


「や、そういう意味じゃなく・・・」


いや違わない。
貴方にその気がなくても、
貴方は一瞬で相手の心を虜にするんだ。


だからもしかしたら先輩も・・・


「・・・翔くんが嫌だっていうなら、
おいら、・・・行かない」


「え?」


「翔くんの嫌がることしたくないもん。
坂本くんの連絡先も消すよ・・・」


「え?いや、
そこまでしなくても・・・」


スマホを操作しようとする、
智くんの手を掴んで止める。


「・・・怒ってない?」


「・・・え?」


「アドレス交換したこと、
メールしたこと」


「・・・怒ってないよ。
ちょっと、びっくりしただけ」


「・・・じゃあ、キスして?」


「え?」


いつの間にか、
智くんが潤んだ瞳で俺の顔を覗き込んでいた。


「キスして?
怒ってない証拠見せて」


「え?でも、ここ楽・・・んんっ」


俺が言い終わる前に、
智くんが唇を押し当ててきた。


ここ楽屋なのに・・・
こんな・・・


ほら、貴方は一瞬で虜にする。


貴方の華奢な腰を引き寄せ、
本気のキスをする。


自分で仕掛けてきたくせに、
逃げようとする貴方を抱き寄せる。


「ちょ・・・しょおく・・・」


「・・・仕掛けてきたの、智くんだよ?
逃げるなよ・・・」


「・・・でも、こんな・・・
誰か来たら・・・んっあっ」


あんな風に仕掛けられたら、
止められないよ。
貴方分かってやったでしょ?


俺の背中をドンドン叩く智くん。
分かってるの?
それすらも俺を煽ってるんだよ?


「・・・しょお・・・くん」


ああ、もう!
分かったよ。俺が悪いんでしょ!


智くんから離れる。


「・・・家帰るよ」


「・・・うん♡早く帰ろ」


うるうるの瞳で俺を見上げる貴方。
だから、それもわざとやってるんでしょ!


本当に貴方はずるい!
こうすれば俺が何も言えなくなるの知ってるんだ。


「んふふ♡」


「・・・何?
何笑ってるの?」


「やっぱりおいら坂本くんと行ってこようっと」


「は?さっき行かないって・・・」


「だって、おいらに何かあったら、
翔くんが飛んできてくれるでしょ?
そして必死でおいらを守ってくれるでしょ?」


「・・・・・」


・・・やられた!
だから貴方はずるいんだよ!
そんな笑顔で言われたら、行っちゃダメって言えなくなる。


「どこにだって飛んで行ってやるよ!」


「・・・うん♡」


そう頷いて、
俺の腕に腕を絡めてきた。


本当に貴方はずるいんだ!


・・・でも、
そんな貴方が・・・好き♡




ああ、今夜も貴方と・・・
2人だけの秘密の時間。






゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚


今回のリクエストは、
「テレビジョンの対談中、智くんが坂本くんと五右衛門風呂を作った時に、
連絡先を交換して飲みに行こうって言ってた。これを翔くん目線で」
でした♡


Rさん、
こんな感じになりました♡
いかがでしょう?
気に入ってもらえたら嬉しいな♪


実はこの話、
雑誌読んだ時にちょこっと浮かんでました。


だってね、やまのふたりでの対談中に、
こんなこと言われたら・・・
山好きさんは見逃せない発言ですよね。


嫉妬して問い詰める翔くん。
けど、結局許しちゃうみたいな・・・
どうかな?


もう2つリクエストいただいてるので、
そのお話も頑張ります!
mさん、Hさんもうちょっとお待ちくださいませ♡



くろねこ🐾