スイートルームなんて初めて入った。
うわー、本当に凄いんだ!


窓から見える夜景に心奪われる。
一緒に見ようと誘ったのに、
部屋の真ん中で動かない翔くん。


高いこと苦手なのに、
おいらのためにこの部屋にしてくれたんだよね。
その気持ちが嬉しくて。


それを隠すために、
わざとはしゃいでみせた。


すると、翔くんに腕を掴まれ、
抱きしめられた。


「・・・ねえ、
キス、したいんだけど、
しても・・・いい?」


顎を掬われ、おいらの顔を覗き込む翔くん。
翔くんに見つめられ恥ずかしくなって瞳を閉じた。


翔くんの唇がおいらのに重なる。
んっ。き、気持ちいい・・・
だめ、おぼれちゃいそう。


そう思って離れようとしたのに、
翔くんがそれを許してくれない。


そして、翔くんの 舌 が、おいら の 中 に・・・
急に不安になって、翔くんを押しのけた。


・・・翔くん慣れてる?
もしかして、本気にさせといて、
やっぱり男とは・・・って
言い出すんじゃないかと思って怖くなった。


なのに確かめてだなんて、


こんな気持ちいいキスは初めてで、
もっともっと欲しくなる。
もう、翔くんが慣れてようか慣れてなかろうが、
どうでもよくなっていた。


・・・翔くんが欲しい。
逢ったばっかりなのに、翔くんが欲しくてたまらない。
けど、自分から欲しがるなんて。


焦らすつもりはなかったんだけど、
一度冷静になりたくて、翔くんの手を止め、
バスルームに逃げた。


シャワーを浴びても、
やっぱり翔くんが欲しくて、
どうせするならゆっくりと・・・


同じバスローブを身につけた翔くんを見たら、
またドクンと心臓が跳ねた。


ワインを飲んでた唇を なめられ、
口移しで飲ませてって彼の瞳が言った。


首を伝うそれまでなめとられ・・・
もう限界だって思ってたら、


「男とするの初めてじゃないの?」


・・・やっぱり気になるよね。
他の男と重ねた身体。
翔くんとが初めてだったらどんなによかっただろう。


「・・・気になる?
もし初めてじゃなかったら、やめる?」


そうしよう。
もし翔くんがやめると言ったらこれで終わり。
これ以上ハマる前に、翔くんにとらわれる前に
やめよう。


翔くんの答えは「・・・やめない」だった。


この答えがが嬉しくて、
翔くんと同じ台詞を重ねてた。


再び重なる唇。
おいらの首筋を這う舌。


気がついたら翔くんにしがみついていた。
翔くんに触れてほしくて、翔くんを早く感じたくて、
おいらも我慢の限界。


今夜だけでもいい。
おいらを違う世界に連れて行って。






゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚



終わった後、
動けないおいらの身体を、
翔くんが 綺麗 にしてくれた。


いっぱい 啼 か さ れ
でももっともっと欲しくて・・・
こんな経験は生まれて初めてで・・・


恥ずかしくなって、
また意地悪を言った。


「・・・翔くんて、
やっぱり遊んでるんだね」


なのに反対にさっきのことを言われ、
恥ずかしすぎてシーツに隠れた。


そのシーツごと抱きしめられ、
おいらの過去に嫉妬してるって言われた。


そんなこと今まで言われたことない。
いいの?本当においらでイイの?


言ってしまいそうになる。
君が好きだって、
出逢ったばっかりでおかしいって言われるかもしれないけど。


すると、翔くんがおいらと同じことを言おうとした。


だめ。それを言うのはおいらだよ。
それに、もしかしたら気の迷いかも。
雰囲気やお酒のせいかも。


夢が覚めたら・・・


お願い言わないで。
今夜はこのまま夢の中でいたいんだ。


ちゃんと言うから。
おいらが言うから。


翔くんの 唇 を 塞いだ。








゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚



朝目が覚めたら、
おいらは翔くんの腕の中にいた。


昨日のあの時間は夢じゃない。


翔くんを起こさないように、
ベットを抜け出す。


シャワーを浴び、
服に着替える。
ふと、首筋に赤いシルシを見つけた。


翔くんがつけたそのシルシをそっと指でなぞる。


おいらは賭けに出ることにした。


「昨日の言葉が本気なら、
今夜昨日のバーでもう一度言って・・・」


そうメモを残し、
部屋を後にした。


おいらの逢い来てくれることを願って・・・


来てくれたら、
おいらが言うよ。


君が好き。
ずっと一緒にいたいって。


今夜こそ言うから、
覚悟してね、翔くん♡