「・・・ん、はっ・・・あ・・ん」


智くんから 可愛い 甘い声が 漏 れ る。
もっともっと聞きたい。


より身体を 密 着 させ、
智くんの 腰を 抱き込む。


さっきはダメって言われたけど、
やっぱり 我慢 できなくて、
智くんの 可愛い 赤い 舌に、
自分の それを 絡めた。


「っんん!・・・ん、あっ・・・」


一瞬、智くんがビクッとして、
瞳を見開いたけど、
俺の 動き に合わせて、舌 を 絡めて きた。


智くんに受け入れてもらえたことが嬉しくて、
俺は より 大胆になる。


智くんの 可愛い 舌 を逃がしまいと、
智くんの 首の後ろ に手を回す。


最初は遠慮がちだった智くん。
その智くんが、両手で俺のスーツを掴み、
俺の 舌 に 吸 い 付 い てきた。


やっべ・・・
持っていかれそう。


俺は慌てて智くんから 唇 を離し、
智くんの 首筋 に キス を 落とす。


「ああっ・・・しょおっ・・・」


そして、智くんのスーツのジャケットに手をかけた。
ゆっくりと ボタン を 外していく。


ジャケットを 脱 が せ、
ネクタイ を 緩めていく。


そして、Yシャツのボタンに手をかけた時、
それまで される が ままだった 智くんが、
俺の手を止めた。


「・・・まって」


「ん?・・・なんで?」


智くんの 首筋 から、
耳元 に 舌 を 這 わ す。


「やんっ・・・ああっ・・・」


「・・・いいよね?」


もう一度 Yシャツに 手をやると、
やっぱり その手を 止められた。


「・・・まって」


「ん?・・・なんで?」


「・・・おいら、シャワーしてない」


「そんなのいいよ。俺気にしないし」


だって、智くんももうその気でしょ?
さっきから 俺の 身体に 当たってる・・・。


っていうか、今ここでお預けなんて無理。


「やだ。おいらは気になる。
ちゃんときれいにしてから、しょおと一つになりたいの」


・・・そんな潤んだ瞳で、
・・・そんなこと言われたら。


「・・・わかった。
早く戻ってきてね」


俺は渋々貴方からはなれた。
貴方はふふっと笑い、
俺の頬にキスをした。


「おいらの後、翔くんも浴びてね。
夜は始まったばかりだよ?
・・・ね」


智くんはそういって、バスルームに消えていった。


・・・わざとなの?
わざと俺のこと焦らしてるの?
慣れてるのはどっちだよ。


スーツのジャケットを脱ぎ、
ネクタイとむしり取る。


冷蔵庫からミネラルウォーターを取り出し、
一気に流し込む。


ふと、貴方の言葉を思い出す。


『おいら、出逢ったその日にこんな・・・
初めてで・・・』


初めてって何が?


その日のうちに ホテルに 来たことが?
それとも 男 と するのが?


・・・・・


『ちゃんときれいにしてから、しょおと 一つ になりたいの』


貴方、男とするの、
初めてじゃない・・・よね?
もし初めてだったらもっと・・・


・・・ほかの男にも、
さっきみたいな声を聞かせたの?
あんな 艶っぽい 顔 見せたの?


逢ったばかりの貴方。
なのに、貴方の 知らない 過去に 嫉妬してる。


そんなことを考えてたら、
智くんがバスルームから戻ってきた。


「・・・次翔くんの番だよ。
ねえ、おいらものど乾いちゃった。
なんか飲んでいい?」


備え付けのバスローブを身にまとい、
シャワーのせいか、ピンクに染まった 頬 や 胸元 が、
妙 に 艶かしい。


「あ!赤ワインがある。
これあけていい?」


そう聞いてきた貴方を後ろから抱きしめる。
そして、うなじに 口 づけた。


「やっぱりダメだ。
もう、我慢できない・・・」


バスローブの 胸元 から、
手 を 滑り込ませる。


「や・・・しょお、だめだってば。
ね、ほら、シャワー浴びてきて。
おいら逃げないから、ね?」


また手を止められた。
その手を自分の頬に当て、
微笑んでくる貴方。


あーもう!


「わかった。すぐ戻ってくるから、
ワイン飲みすぎないでね!」


「んふふ。わかってる。
・・・早く戻って来てね」


ふにゃっとした顔で笑う貴方が、
ひらひら手を振ってる。


もう、貴方が初めてかなんてどうでもいい。
早く貴方を感じたい。
早く貴方と・・・


俺ははやる気持ちを抑えて、
バスルームに向かった。