・・・やっぱり、この雰囲気、
俺苦手なんだよね。


みんなが、お互いを探ってる感じ?
職業は?ご兄弟は?ご両親は?


キラキラに着飾った女が、
わざと瞳をうるうるさせ、
自分のお目当てにかなう男を物色してる様。


同僚に誘われ、
婚活パーティーなるものに連れてこられた。


この同僚も、先輩社員に誘われたみたい。
二人では嫌だからって、
俺に白羽の矢がたった。


嫌がってた割に、
楽しそうに女の子と談笑してる。


先輩社員さんはというと、
緊張してるのか、ガチガチに固まって、
そいつの隣でおどおどしてる。


若い頃はね、
ちゃんと綺麗にしてる子好きだったんだ。
だって、並んで歩くなら、綺麗なこの方がいいでしょ?


でも・・・
今はもういいかな。


「ごめん、ちょっと、風にあたってくるわ」


「え?あ、うん」


そいつにこっそり耳打ちする。


「俺のこと気にしなくていいから、
俺も適当にして帰るよ」


「うひゃひゃ、分かった。
先輩が上手くいったら報告するね」


ここに誘ってくれた同僚の相葉くんが、
出来ないウインクをしてみせ、
また女の子の輪の中に戻っていった。


相葉くん達から離れ、
付いてこようとした女の子をやんわり断り、
テラスの方に向かった。


すると、カウンター席で飲んでた、
一人の男性に目が止まる。


・・・・・


・・・・・


初めてだった。
男に目を奪われたのは。


椅子に浅く座り、
ちょっと猫背で、


つまらなさそうに、グラスの中の氷を、
指でくるくるしてる、その彼から、
なぜか目が離せない。


ふとその彼がこっちに視線をよこした。


・・・本当に男?


吸い込まれそうっていうのは、
こういうことなの?


にっこり微笑む彼に、
引き寄せられるかのように、
近づいた。


「あの、隣空いてますか?」


「え・・・、うん」


空いてないっていっても、
横に座るつもりだった。
何でだろう。


この人を逃がしちゃいけないって、
つかまえろって、警告音が響いてる。


バーテンダーさんに、
彼と同じものを頼む。


「お一人ですか?」


「いや、ちょっとおせっかいな先輩にね、
連れてこられちゃって・・・。
おいら、こういうとこ苦手で・・・」


「俺もそんな感じです。
俺も先輩社員の付き添いで来たんです」


「ああ、そんな感じ。
だって、貴方はこんなとこに用がなさそう」


そういって、グラスに口を付けた彼。
グラスを持つ手も、グラスに触れる唇も、
本当に綺麗で、思わず見とれてしまう。


目の前に、頼んだお酒が出される。
そのグラスに手を伸ばす。


「・・・用がないってどういう?」


「だって、あなたモテるでしょ?
そんなにカッコいいんだもん!
こんなとこ来なくても、相手なんてすぐ見つかるでしょ?」


カッコいいなんて、お世辞だって分かってるのに、
彼に言われて、心躍ってる自分に気づく。


「カッコいいだなんて、
それはあなたもでしょ?」


「おいらはもてないもん」


ぷくっと頬を膨らませ、そっぽを向く彼。
こんな可愛い人がモテない訳ない。


「・・・先輩はいいんですか?」


「んー、さっき女の子といい感じになって、
どっか行っちゃった。だからおいら一人になっちゃって・・・」


「じゃあさ、俺とどっかで飲み直しません?」


「・・・え?」


「このまま二人で、抜け出しませんか?」


初めてだった。


初対面の名前も知らない、
しかも男性をこうやって誘ったの。


でも、考えるより先に、
彼を誘う言葉が出て、とまどってる彼の手をとっていた。

















゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚



はい。
宣言どおり新しいの始めちゃいました。
ドキドキ♡


歌詞は彼女だけど、
腐フィルターのかかってる私には、
彼が彼を誘ってるようにしか聞こえない(●´ω`●)ゞ


お祝いコメント、メッセージ
たくさんたくさん本当にありがとうございます!


全部読んでます。
お返事が遅れてます。
ごめんなさい。


ゆっくりになりますが、
返していきたいと思ってます♡


リンクの張り方、
旦那に聞いてやっと分かりました( ´艸`)
お騒がせしました。


食われた分の別部屋へのリンク記事を
明日にでもあげたいと思います。


その際、また更新メールが行くかと思いますが
ご了承くださいませ。




くろねこ