「ねえねえ、明日誕生日でしょ?
大ちゃんとお祝いするんでしょ?
明日は寝かさないよっとか言われてんの?」


「・・・・・」


・・・なんでなの?


なんであなたがそれを言うかな?
大野さんに言って欲しかったのに・・・


「・・・何だよ。
そんな怖い顔で睨むなよ、ニノ」


「・・・会えるか分かりません。
大野さん、最近忙しそうだし・・・」


「あー、大ちゃん、もしかしてまだ・・・」


「え?・・・なんか知ってるんですか?」


「ええ⁉︎何かって何だよ!
大ちゃんは・・・そう!個展の準備が忙しいんだよ!」


「・・・個展ね」


本当にあなたは嘘が下手だね。
何か知ってるってバレバレなんだよ。


ガチャ!


楽屋のドアが開き、
大野さんと翔さんが入ってきた。


・・・なんで一緒なの?
私の視線に気づいた翔さんが、


「ああ、誤解すんなよ。
駐車場であったから、一緒に来ただけ。
ほら、智くんもちゃんと説明して!」


・・・智くん。


翔さんだけがそう呼ぶんだ。
独特のイントネーションで。


「智くんってば!」


「え?ニノがそんなこと気にするわけないじゃん。
でしょ?ニノ。・・・カラダ平気?」


大野さんがニヤッと笑う。


「バっ!・・・バカじゃないの!」


昨日のことを思い出し、
慌てて顔を逸らした。


「何々?
カラダを心配しなきゃいけないことってもしかして?
昨日してたの?きゃー!や ら しい!きゃー!」


「うるさいよ!相葉さん!
廊下まで声漏れてるぞ!」


Jも楽屋に入ってきた。
Jは迷わず大野さんのそばにより、
私の方をちらっと見て、
何か耳打ちしてる。


・・・・・


・・・・・



「ねえ、ニノ。なんか大丈夫?
からかっちゃったけど、
本当にどっか悪いの?」


「・・・え?」


振り返ると、
相葉さんが心配そうな顔して見てた。


「・・・ニノ泣きそうな顔してる」


・・・・・


「・・・このダンジョンがクリア出来なくて、
困ってるだけですよ。
相バカの方が泣きそうじゃん!なんかあったの?」


「・・・そうならいいけど。
っていうか、バカって言うな!
何もないわ!」


「あははははー」


その時、
視線を感じたけど、
誰の視線か分からなかった。









゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚




仕事が終わり、
1人で家に帰ってきた。


誕生日前日だからって、
色んな人にご飯に誘われたけど、
行く気になれなかった。


私が誕生日に一緒にいたいのは、
あの人ただ1人・・・


ああ、もう少しで、
日が変わる。


ピーンポーンピーンポーンピーンポーン!


・・・誰だよ?
こんな遅い時間に。


ピーンポーンピーンポーンピーンポーン!



しかもしつこい!


ドアホンのモニターを覗くと、
でっかい包みを持った彼が立っていた。