「ちょっと、相葉ちゃん?
おいらちゃんと歩けるってば!」


「そう?じゃあ・・・」


相葉ちゃんに局の出口まで連れてこられた。
そしてやっと放してくれて、
カバンも返してくれた。


「・・・で?
どこに行くの?」


「・・・さあ?」


「さあって?どういうことなの?」


おいらは相葉ちゃんが何をしたいのか、
全く分からなかった。
そんなおいらに優しく微笑む相葉ちゃん。


「・・・大ちゃん、
俺はちゃんと告白したよ?
これで何の問題もないよね?
次は大ちゃんの番だよ」


「・・・え?」


「翔ちゃんのことを振ったんだってね。
何で?大ちゃんも翔ちゃんのことが好きでしょ?
俺と変わらないぐらいに」


「・・・相葉ちゃんには負けるかも。
だって、翔くんを好きだって気がついたのは、
ついこの間だもん・・・」


「・・・大ちゃん、そんなこと言ってると殴るぞ!」


「え?・・・」


「両想いなのに何言ってんの!
翔ちゃんに選ばれてるのは誰?
俺がどんなに翔ちゃんを好きでも、
こればっかりはしょうがない!
翔ちゃんを幸せに出来るのは大ちゃんでしょ!」


「・・・相葉ちゃん」


「そして、大ちゃんを幸せに出来るのは、翔ちゃんでしょ?」


「・・・相葉ちゃん。
おいら、翔くんの手を掴んでいいの?」


「いいに決まってる!
当たり前じゃん!好きな人には笑ってて欲しいんだよ。
きっとニノも松潤も俺と同じ気持ちだと思うよ」


「好きな人の笑顔・・・」


「大ちゃんが見たいのは誰の笑顔?」


「・・・おいらは、
おいらは翔くんの笑顔が・・・見たい」


「うん。じゃあ、することは一つだよね?
ちゃんと伝えよ?大ちゃんの素直な気持ち」


「・・・おいらの気持ち?
そう・・・だよね。ありがと。相葉ちゃん」


「ふふ。じゃ今から告っちゃお!」


「え今から?」


「そう今から!
善は急げと言うしね。
どこに翔ちゃん呼び出す?
俺が翔ちゃんに伝えてきてあげるよ」


・・・翔くんを呼び出して、
気持ちを伝える。
それなら、呼び出す場所はただ一つ。



「・・・分かった、じゃ、翔くんに伝えて?
キラキラの場所で待ってるって。
2人の思い出の場所なんだ。
そう言えば翔くんも分かるはず」


「キラキラの場所ね。了解!任せて。
ほら、早く行って!
大ちゃん、翔ちゃんを離しちゃダメだよ!
幸せになれ!」


「・・・ありがと、相葉ちゃん!」


おいらは笑顔で手を振る相葉ちゃんを残し、
タクシーを拾いあの場所に向かった。
翔くんに告白されたあの場所に・・・







゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚




相葉ちゃんに背中を押され、
ここまで来た。


相葉ちゃんのためにも、
みんなのためにも、
おいらはおいらの出来ること、
しなきゃいけないことを頑張るよ。


「はあ、すごい。
やっぱり綺麗だな・・・。
今日もキラキラだ」


・・・翔くんは、
翔くんは来てくれるかな?
もう、おいらのことなんて・・・


そんなことを考えながら、
景色を見てたら、
ここの入り口の方が騒がしくなった。


振り返ると、
息を切らせた翔くんが、
おいらの方を見て立っていた。


「・・・智くん」


翔くんに名前を呼ばれた。


それだけなのに、
なぜかすごく懐かしく感じて、
泣きそうになった。


「・・・翔く・・・ん」