「・・・・・」


「・・・翔ちゃん?
ちゃんと聞いてる?」


「えっ・・・、ああ、聞いてる」


「ふふ。良かった。
でも、翔ちゃんなら、俺の気持ちに
気付いてたでしょ?」


「・・・・・」


・・・え?
翔くん、相葉ちゃんの気持ちに気付いてたの?


「ふふ。ありがと、翔ちゃん。
返事くれない?俺のことどう思ってる?」


「・・・あ、ええっと、俺は・・・」


翔くんがおいらの方をちらっと見た。
おいらはどうしていいか分かんなくて、
思わず俯いてしまった。


「翔ちゃん?
ここが勝負だよ?」


「え?」


「翔ちゃんの答えは?」


「・・・ごめん。俺、好きな人がいる。
断られたけど、やっぱりその人のこと、諦められない・・・」


「・・・うん。分かった。
ちゃんと答えてくれてありがと!
大丈夫だよ。俺が翔ちゃんを幸せにしてあげるからね!」


「え?・・・どういう・・・」


翔くんをまっすぐ見ていた相葉ちゃんが、
とびきりの笑顔を見せ、
自分のカバンを肩にかけた。


そして、
おいらを振り返り、
がばっと抱きついてきた。


「うわーん!大ちゃん、
翔ちゃんに振られちゃったよ~
今日は慰めて!やけ酒付き合って!」


「え?え?相葉ちゃん?」


そしてそのまま肩を抱かれ、
ドアの方へ連れて行かれる。


「ちょ、ちょっと待って、
おいら、荷物まだ持ってない・・・」


「ああ、ごめん。
ニノ、大ちゃんのカバンとって!」


「・・・はいはい」


ニノがおいらのカバンを、
相葉ちゃんに手渡す。


「よし!じゃ、行くよー!
朝までとことん付き合ってもらうからね。
覚悟しててよー!」


「え?マジで?
ちょっと相葉ちゃん、おいら自分で持つから」


「ふふ、いいからいいから」


「え?ちょっと・・・」


相葉ちゃんに引っ張られ、
楽屋を出るとき、
翔くんと目があった。


翔くんは置いてきぼりにされ、
ぽかんと口を開け、
こっちを見ていた。


相葉ちゃん?
一体どういうつもりなの?


なんでおいら?
おいらといたら、余計に辛いんじゃないの?


ってか朝までってマジで?
おいらどうなっちゃうの?












゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚



「・・・一体今のはなんだったの?」


相葉さんの行動に、
ぽかんと口を開けてた翔さんがやっと喋った。


きっと相葉さんは大野さんを・・・


でも、悔しいから、
あなたには教えてあげませんよ。
翔さん。


「・・・ふふ。さあね。
でも、翔さんを幸せにするって宣言していきましたけどねぇ~。
あれはもしかしたら・・・ねえ?」


「・・・だな。
ヘタレな翔さんやめて、
大野さんに鞍替えたとか?」


ふふ、Jも相葉さんの作戦に気がついたみたい。
私にウインクしてきた。


「うんうん。
大野さん泣かれると弱いみたいだから、
慰めてって言われてそのまま・・・」


「は?ニノ!松本!なんてこと言うんだ!
そんなこと!あり得ないだろう!
だって智くんは・・・」


「「ん?
だって智くんは・・・なあに?」」


「・・・い、いやなんでもない」


ふふ、やっぱり、
翔さんも気づいてるんだ。
大野さんの本当の気持ち・・・


あとは、相葉さん、
大野さんを任せましたよ。


大野さん、あとはあなた次第だよ。