「はー最後、ドタバタだったね」


「うん。相葉ちゃんの焦り具合がハンパなくて、
面白かった。ニノと松潤は、急いでても冷静なのにね」


「そうそう。金髪カラコンのまま、
仕事行こうとしたりするしね」


「・・・ねえ、買い物行かなくてよかった?
今からでも行く?」



持って帰ってきたさっき食べきれなかった料理を、
冷蔵庫に片付けながら、智くんがきいてきた。




相葉くんが、17時に、ニノと松本が18時に、
仕事へ行くことになっていて、
それに合わせて、結婚式もお開きになった。



みんな、俺らの休みに合わせて、
仕事の都合をつけてくれて、
俺らに内緒で今日の結婚式を計画してくれたんだって。
本当にカッコいい奴らだよ。



で、俺らはタキシードとミニドレスのまま家に帰ってきた。
衣装を返すのは明日でいいって言われたから。
買い物はいつでも行ける。



せっかくだもん!
ミニドレスな智くんをゆっくり堪能しなくちゃ!
俺はソファーに座って、智くんを呼んだ。



「んー、ねえ、こっち来て。
もっと良く見せてよ」


「・・・うう。そんなに見ないでよ。
恥かしいだろ」



俺の差し出した手を取って、
恥ずかしそうにそっぽを向いて、
俺の前に立つ貴方。



メイクもしたままだから、
智くんなんだけど、智くんじゃないみたい。
ああ、可愛い!



さっきのは夢じゃないんだな。
俺は貴方の左薬指の指輪に触れる。



「・・・翔くん?」


「・・・智くん、ありがとう」


「え?・・・」


「俺、すっげー幸せだ。
貴方がいてくれて、
理解してくれる仲間がいて」


「うん」


「幸せになろうね。一緒に幸せになろう」


「うん。・・・けど」


「え?・・・けど⁇」



貴方は俺の手を取ったまま、
俺の隣に座り、じーっと俺の瞳を見つめてきた。



「・・・翔くん、おいらに不満があるんでしょ?
なんで、直接おいらに言ってくれないの?」


「え?不満なんて・・・あ!
もしかして、相葉くんから何か聞いたの?」


「ん。相葉ちゃんから話を聞いたニノから聞いた」


「バカ、あいつらめ・・・」



智くんが俺の両頬に手を伸ばす。
次の瞬間、ちゅっと口付けされた。



「・・・しょおくん、ちゃんと言って?
おいらにどうして欲しいの?」


「・・・あ」


「ん?・・・しょおくん?」


「・・・あ、あの」


「ん?なあに?」



智くんがまっすぐ俺を見ていて、
その瞳に吸い込まれそうになる。



「・・・あのね、不満ってわけじゃないんだけどね、
・・・・・」


「うん」


「俺の方が智くんを好きだからしょうがないんだけどさ、
・・・もっと俺にひっついて欲しいなって。
みんながいると、恥ずかしがってそばに来てくれないでしょ?」


「・・・・・」


「いつも俺ばっかり智くんが好きで、
俺、すぐデレちゃうし、ヤキモチも・・・ね。
智くんにも、デレたり、ヤキモチも妬いて欲しいなって・・・。」


「・・・・・」


「あ、あの・・・もしかして怒った?」


「・・・本当に、しょおくんはバカだなぁ」



そう言うと、んふふと笑って、
俺の上に跨がり、首に手を絡めてきた。



「え?・・・あっ」