昨日の智くんの話と、さっきのニノの話を聞いて愕然とした。




『あの人から離れたでしょ。

大野さんと距離を置いたのはあなたでしょ?』





ニノがそう感じてたってことは、

あなたもそう思ってたの?

だから、俺と相葉くんが付き合ってるなんて嘘を

すんなり信じてしまったってこと?





違う!俺が貴方から離れるわけないじゃん。

俺はあの日のこと、後悔していたんだ。





貴方のことが欲しくて、いきなり抱きしめて、

唇を強引に奪った。




だって、のんびりしてたら、誰に横取りされるか分からない。

当時貴方を狙ってる奴がいっぱいいた。

もちろん今だって。





けど、貴方からしたら、突然のことで驚いたよね。

いきなり男にキスされたんだから。





俺を押しのけて逃げて行く貴方の後ろ姿を、

追いかけることが出来なかった自分の不甲斐なさ。

あの時追いかけて、気持ちをちゃんと伝えるべきだったのに。





だから、貴方の気持ちが落ち着くまで、

俺を好きになってくれるまで待とうと思った。

でも、怖くて、嫌われるのが怖くて

貴方のそばには行けなかった。





そうしたら、ニノが当たり前のように貴方のそばにいるようになった。

ああ、そういうことかと、

貴方は俺じゃなく、ニノを選んだんだと思っていたんだ。





それが全部間違いだったなんて。





ニノと付き合ってない?

じゃあ、貴方は誰が好きなの?

俺はもう一度貴方のそばに行っていいの?






ヤバイ!

抑えていた気持ちが、溢れて、どうにかなりそうだ。

仕事どころじゃない!






はやる気持ちを抑えつつ、仕事が終わったら、

貴方に全てを告白しようと意気込んでいた。






楽屋に戻り、貴方に声をかけようとしたら、

ニノに先をこされた。






二人仲良く楽屋を出て行く。

俺は手遅れにならないようにと後を追いかける。

それを相葉くんに止められた。






「ごめん、翔ちゃん。きっとニノはけじめを付けるつもりだから。

もうちょっと待ってあげて欲しいんだ」






泣きそうな顔をした相葉くんにお願いされたら、

何も言えなくなってしまった。






仕方なく、今日は引き下がることにした。

けど、なんか落ち着かず、まっすぐ家に帰る気にもならない。

でも、飲みたい気分でもない。

街をブラブラしてから、家に帰った。