「ねえねえ、あの2人最近なんか変じゃない?
2人揃って元気なくない?」


「・・・そうですね」


「ニノ、大ちゃんと仲良いじゃん。なんか聞いてないの?」


「・・・別に何も。ケンカでもしてるんじゃない?」


「そうかなー?なんかもっと深刻な感じだけどな~」


・・・これだから、本当天然バカは侮れない。
動物のカンってやつですか?


お二人さん、相葉さんまであなた達の変化に気づいてますよ?
そろそろあの人も動き出すんじゃないかな?


さて、私はどうしましょうかね?













今日は歌番組の収録。
リハが終わり、一旦楽屋に戻って来た。


ソファーでケータイをいじってるあなたの横は私の特等席。
ゲームをしながら、何気なく話しかけた。


「・・・最近どうなんです?」


「・・・んー何が?」


「翔さんと何かありましたか?そうだな、二ヶ月ぐらい前からかな?」


ドキッ!


「今、ドキッとしましたね?図星ですか?」


「・・・何言ってるの?訳わかんないな」


「シラを切るつもりですか?相葉さんも何となくだけど、気付いてるよ?」


「・・・」


その時あなたのケータイにメール受信のメロディーが流れた。
確認したあなたの顔がみるみるうちに曇る。


「・・・大野さん?」


「ふふ、心配しないで。何もないから。ね?」


「・・・」


「ほら、フリの確認したいから、付き合ってよ、ニノ」


「・・・はいはい」




歌番組の収録が終わり、みんなそれぞれ次の現場に移動する。
おいらと松潤が最後だった。


「じゃ松潤、おいら行くね。また明日」


ドアを開けようとした時、ドアを閉められ、
そのままドアに身体を押し付けられた。


「・・・ま、松潤・・どうした・・・?」


「・・・このあと、行くの?」


「え?そりゃ行くよ。仕事だもん」


「違うよ!翔さんに会いに行くのかって聞いてるんだよ!」


ジロッと睨まれ、Tシャツの首のところを引っ張られる。


「・・・これ、付けたの、翔さんなんでしょ?」


おいらは何のことか分からず、
松潤の腕をどかそうとする。


「何言って、離せよ」


「この赤い痕。今夜も抱かれに行くのかって聞いてるの、
さっき2人、目配せしてたよね?」


「な!何言って・・・」


おいらは慌てて、首元を隠した。
マズイ、全部消えたと思ってたのに・・・


「・・・もう、行くなよ」


ふわっと、松潤の香りがしたと思ってたら、
次の瞬間、松潤に抱き締められていた。


「あんたが幸せなら、それでいいと思ってた。
けど、今のあんたは全然幸せそうに見えない。
辛そうなあんたをこれ以上、見てられないんだよ」


「・・・松潤、離して」


「翔さんなんかやめて、俺にしときなよ」


身体が離れ、松潤に顎を掬われた。
ゆっくり松潤が距離を詰める。


寸前のところで松潤を押し退けた。


「ちょ、やめろよ」


おいらは逃げるように、楽屋を出た。
松潤の声が聞こえたけど、そのまま走って楽屋を後にした。