「・・・松潤、おいら、嬉しい。
松潤にそんな風に思ってもらってるなんて、
思ってなかった。・・・でも」


アンタが言葉を選びながら、でもちゃんと真剣に答えてくれようとしている。
ああ、ついにこの時が来たんだな・・・


「松潤と同じように、おいらも、翔くんのことが好き。
好きで好きでたまらない・・・
だから、松潤の想いに応えられない」


いつも優しいその瞳に強い意志を宿して、
俺を真っ直ぐ見て、アンタはそう言い切った。


「ん。ちゃんと答えてくれてありがと」


俺はアンタを抱きしめる。
アンタも俺を抱きしめ返してくれた。


やっぱり、アンタを好きになってよかった。


アンタから身体を離し、
アンタの肩を両手を置く。


「いっこお願いがあるんだけど聞いてくれない?」


「え?お、お願い?」


「そ!今度の休み俺にちょーだい。
一日でいい、アンタとデートしたいんだ!」


「へ⁈デ、デート?」


「ちょーっと待った‼︎そのお願いは聞けません!」


俺らの話を静かに聞いていた翔さんが勢い良く立ち上がる。
つかつか俺らのとこの歩いて近寄り、
大野さんの肩を抱きながら、俺の身体を遠ざけようとする。


「何で翔さんが答えるんだよ!俺は大野さんに聞いてるの!」


「お、お前ぇ、黙って聞いてれば・・・
智くんは俺のもんなの!駄目なもんは駄目‼︎」


「さっき智くんは俺の所有物じゃ無いって言ってたじゃん!」


「それとこれは話が違う!」


「デートぐらい良いだろ?減るもんじゃ無いし!」


「いや、減る、確実に減る。
俺と智くんのラブいちゃタイムが減っちゃう!」


「ちょっと、翔くん何真顔で言ってんの⁈」


「んがっ‼︎」


大野さんが翔さんの口を両手で塞ぐ。
すると、後方から、


「はいはーい!俺も大ちゃんとデートしたいです!
ニノもしたいよねぇ?」


元気良く手を挙げ立ち上がる相葉さん。
隣のニノにも声を掛ける。


「・・・まあ、してあげても良いですけど?」


「よし!皆大ちゃんと一日デートすることに決定‼︎」


「え?ちょっと、俺の意見聞いてたか⁉︎
智くんは俺のもんだって言ってんじゃん‼︎」


「んじゃ、誰からする?ここはやっぱ、アミダで決めようか?」


「・・・マジか。まあいいか」


「ちょ、智くん‼︎」


「さすが大野さん、話が早い!
翔さんは除外でいいですね?じゃ、3本・・・」


「4本‼︎俺も行く‼︎」


必死の翔さんが慌てて1本書き足した。


コンコン

ドアをノックすると共に、マネージャーが顔を出し、
「松本さん、次の現場に行く時間です。すぐ出ますよ」
そう言って、ドアを閉めた。


「じゃ、俺行くわ。順番決まったらメールちょーだい」


荷物を持って楽屋を出て行こうとする松本。
あっと振り返り、


「大野さん、さっき言い忘れたけど、
翔さんに飽きたら、いつでも俺んとこに来てね!」


投げキッスをしながら、出て行く。
はー何やっても絵になるなっって・・・感心してる場合じゃ無い!


「な!そんな日は一生来ねぇー‼︎聞いてるか松本ー‼︎」


俺は思わず大声で叫んだ。


智くん以外の2人に大爆笑された。