風呂を出て、ふとテーブルに目をやると、
メール着信を知らせるランプが光っていた。


・・・え?
青いランプは貴方からだ。


慌ててケータイを手に取り、画面をタップすると、
『仕事終わって暇だったら電話ちょうだい。』
って入ってた。

一斉送信で電話くれって、貴方にしては珍しい。
そのまま貴方に電話した。


「もしもし、智くん?」


「・・・もしもし、翔くん?」


「うん。智くん、どうした?めずらしいね。何かあったの?」


「んふふ、あのさ、 マネージャーに送ってもらったんだけど、
ちょっと歩きたくて、 家の近くで降ろしてもらったの。
そしたら雨が降ってきちゃって・・・
慌てて走って、家に着いたんだけど、
家の鍵なくしちゃったみたいで、入れないんだ。」


「・・・って言うことは智くん、濡れてるの?」


「うん。・・・っていうか、ずぶ濡れ?」


「ずぶっ・・・、すぐ迎えに行くから待ってて‼︎」


マジか‼︎急がなきゃ!
俺は慌てて準備して、家を飛び出した。



貴方のマンションは混んでなきゃ30分ぐらい。
焦ってるせいか、すごく時間が長く感じる。
雨が降り続いてるせいなのかも。
ようやく貴方のマンションの前に着き、貴方の電話する。
「智くん着いたけど、どこ?」


しばらくすると、助手席のドアがあいて、
ずぶ濡れの貴方が乗り込んできた。


「ゴメンね、しょおくん。こんな時間に呼び出して」
貴方は本当に申し訳なさそうにつぶやく。
濡れて寒いのか、唇が青ざめて、少し震えてた。


「そんなのいいよ。 これ使って!」
俺は持ってきたバスタオルを智くんに渡した。


「・・・翔くん、これ多くない⁇」
「いいの!文句言わずに身体拭いて!」


智くんは大量のバスタオルがツボに入ったみたいで、
俺の家に着くまで笑い続けてた。